
ニューヨーク発のバーバー『FRANK’S CHOP SHOP』。その京都店に在籍し、ブレイズやコーンロウなど編み系スタイルを武器に活躍するMEYOUさん。今のバーバーシーンに欠かせない、唯一無二の存在感を発揮する。独自の作品性と生み出すための技術、今に至るまでの道のり。その魅力をウェブ記事との連動で2号に渡って迫ってみたい。
photo: Okazaki Kenji(model), miyako photo @miyako075(MEYOU) text: Sugiura Akiko

編み系スタイルにまず挑戦するなら、やや太めに編んだブレイズがおすすめだ。編みの質感を楽しみながら、動きに合わせて揺れる毛束がさまざまな表情をもたらす。今回のモデルはアンダーを刈上げているため、バック8本、左右サイド6本の合計14本。いずれもしっかりとテンションをかけながら、きっちりと裏編みでつくっていく。顔の傾きや姿勢によって「編みが揺れる」のがコーンロウとは異なるブレイズの魅力だ。

ブレイズならではの良さはもうひとつ、アレンジが効くこと。編み込んでがっちりと固めるコーンロウとは違い、自由に動くことは先述のとおりだが、この三つ編みの束をクルクルと巻いてマンバンスタイルにするもよし。もっと細く編めば、ブレイズした三つ編みをさらにブレイズすることもできる。細かく編めば、シャンプーも可能。手入れがしやすく、扱いやすくてカッコいい。3拍子揃ったスタイルだ。
MEYOUさんのテクニックを解説!
【BEFORE】




サラサラとした柔らかい髪質。クセがほぼないストレート毛。

イヤートゥイヤーでブロッキングし、バックは3段に分ける。

バックの下1段を残し、上2段をゴムでまとめておく。

1段目をさらに左右に分ける。

ブレイズスタート。毛束を3つ(A・B・C)に分け、裏編みにする。


左の毛束(A)を中央の毛束(B)の下にくぐらせる。

右の毛束(C)を毛束(A)の下にくぐらせる。


さらに(B)の毛束を(C)の毛束の下にくぐらせる。この要領で裏編みを繰り返す。

編み進んだ状態。編みの質感をしっかり感じる太さにしている。

同様にテンションをかけながら、毛先まで編む。

毛先をゴムで留める。同様に全頭を裏編みにする。
【フィニッシュ】





バックは3段に分け、上段3本、中段3本、下段2本。左右サイドのハチ上はそれぞれ2段に分け、上段2本、下段1本。合計14本。
【INTERVIEW】
N.Y.のFRANK’S CHOP SHOPのカッコよさに衝撃! この道へ進むと決意。
なんともカッコいいブレイズを教えてくれた『FRANK’S CHOP SHOP』のMEYOUさん。自分の夢に邁進するMEYOUさんの今、そしてこれからとは? 前編となる今回はこれまでの軌跡についてインタビュー。

MEYOU(FRANK’S CHOP SHOP)
みゆう。『フランク チョップ ショップ 京都』在籍。関西美容専門学校卒業。jRL、レイライトのアンバサダーを務めるなど活躍中。インスタグラムアカウント:@meyou.pma (MEYOU's hairstyling: Yuwee Bilson(Braids shop Honey Bun) Instagram: @honeybun_hair)
––この仕事を目指したきっかけは?
8歳の頃からずっとダンスをしていました。ステージやコンテストで髪を編んでもらい、ヘアが決まった自分を鏡で見るとすごく勇気をもらえて、自信を持って踊ることができて……。いつの間にか「自分も同じように人に勇気を与えたい」と思うようになったんです。それで最初は美容学校へ進みました。学校を卒業してからはすぐにニューヨークへ行きました。というのも、ダンスの影響で幼い頃から漠然と「ゆくゆくはアメリカへ」というビジョンが自分の中にずっとあって、まずは行ってニューヨークの街や人、そこにあるカルチャーに触れてみよう!と。
そこで、知ったのが『FRANK’S CHOP SHOP』です。人生で初めてバーバーショップを見た瞬間、働くスタッフ、お店の出立ち、出入りする顧客。それはもうすべてがカッコよくて衝撃を受けました。当時すでに日本でもバーバー文化の先駆者として活躍している方はいましたが、まだ一般の方も巻き込むような大きなムーブメントとなる前の頃でしょうか。
––そこから、バーバーの道へ?
あまりの衝撃に「ここ(FRANK’S CHOP SHOP)で働きたい!」と尋ねたら、「いずれ日本にお店ができるよ」と、彼らの展望を話してくれたんです。いきなり訪れて来た人間にも真摯に接してくれたのが嬉しかったですね。そうして帰国してからは、しばらくはダンスの方に集中していたのですが、バーバーに憧れる気持ちは心の中に残っている、そんな状態でした。しばらくして『FRANK’S CHOP SHOP』の京都店がオープンするというニュースを見たんです。迷うことなく応募し、まずはレセプションで入店し、仕事を覚えながら理容のライセンスを取りました。
––バーバーとしての第一歩を歩み始めたんですね。ところで、ブレイズやコーンロウを得意とするようになったのは?
これはバーバーになるちょっと前の話なんですけど、何か自分の強みとなるものを持ちたい、と。編み系のスタイルはダンスの影響で昔から親しみがありましたし、その背景にあるカルチャーやファッション性も大好きだったので。ならば、本場で学ぼう!とジャマイカへ数カ月ほど修業に行きました。ジャマイカでは、編み込みは家庭でお母さんが子どもたちにしてあげるなどとても身近なものなんです。可愛い編み込みをしている少女に出会い、その子のお母さんに教わったものが今の私のベースとなっています。コーンロウって編むのに時間がかかりますよね。ジャマイカでは片手を空けることができるような編み方をするんですね。編んでいる途中に空いた方の手で飲み物を飲んだり、ご飯を食べたり(笑) 。最初はびっくりしました。それだけ生活に根ざしているんです。
––自分の得意とするために、その後は?
バーバーとして立つようになってから、「100人編むまでやめへん」というキャンペーンを打ち出しました。その名の通り、編み込みをさせてもらったお客様の写真をSNSにアップして100人達成するまで続けて。結果的に、編み込みに来てくれたお客様が次はカットに来てくれたり、カットの方が次は編み込みに挑戦してくれたり。私自身を知ってもらえる機会にもなり、お客様との関係も深まり、チャレンジしてよかったですね。
––MEYOUさんの行動力には驚かされるばかり。アメリカで働いた時期もあったそうですね。
はい。ちょうど3年前に『FRANK’S CHOP SHOP』のロチェスター店がオープンすると聞き、行くと手を挙げました。ロチェスターはニューヨーク州郊外の美しい街。独特の文化が育まれている場所です。でも、いざ行ってみたら、コロナ禍の影響で新店舗の従業員は私一人という事態に……。ずっと一人で髪を切っていました(笑)。技術者としてカットの経験はまだ浅かったのですが、この状況ではやるしかない。「OK!できるよ!」と言い切って、毎日プレッシャー感じながら、お店に立ちました。今、思えば貴重な経験ですね。毎日エキサイティングでしたが、お客様に喜んでもらえるのがとても嬉しく、同時に日本人は仕事が繊細でホスピタリティにも優れていることを実感。日本にいると気づけない良さを感じ、自信にもつながりました。
そして貴重な出会いはもうひとつ。ニューヨークで開催されたバーバーコンベンションでは『アパッシュ』オーナーの川上昌博さん、『ミスターブラザースカットクラブ』代表の西森友弥さんとも知り合いになることができました。おふたりとのおかげで交友関係が広まり、色々な機会をいただくことができ、今もすごくお世話になっています。
––では、次なる目標は?
この先のいちばんの目標はアメリカにまた行くこと。でも、その前にやらなくちゃと思っていることがあります。今はそこに向かって準備しているところですね。
自らの想いに真っ直ぐに行動し、夢を実現していくMEYOUさん。この先に馳せる想いは、次回後編でお届けします!



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