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28 Jul 2025
28 Jul 2025
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パーマの名手・貴龍さんが指南。これから挑戦したいパーマ【vol.3 mush layer × slicing perm】

一世を風靡した「重めマッシュ×強めのリッジパーマ」からトレンドは激変。

今、そしてこれから来るパーマをイチ早く知りたいと『レクタ』貴龍さんの連載が開始。第3回は新テク・スライシングパーマに迫る。

Y2Kもアメカジも似合う。“平成感”漂うハネを楽しむ!

レイヤーもパーマもアップデートするのに、今欠かせないのが“平成感”。
代名詞といえばそう、ハネ感だ。当時のままではない今っぽさを醸し出すために貴龍さんが用いるのが、スライシングのパーマ。
「スパイラルを主体に、ところどころ間引くことによって抜け感を与えていきます。この間引きは細かくチップを取るのではなく、縦の線状に毛束を取って(=スライシング)外しておき、最後にその外した毛束を逆巻きにしてハネを演出。こうすることでウェーブとハネがお互いに引き立て合います。スパイラルは毛束をねじらないので、ツイストのチリッとした束とは違うキレイな質感に新鮮さを感じてもらえます」
 スパイラルは同じ巻きでも、リッジの位置を根元、中間、毛先と変えたり、レギュラーロッドと円すいロッドを使い分けたりとあえて均一にしないことにこだわる。
「ウェーブのズレがよりナチュラルなクセのように見せてくれるもの。生えグセや毛流を見て巻くのもその人にフィットして長もちさせるためです。僕らのひと手間がお客さまの家での扱いを簡単にします。そうして毎日楽しんでもらいたいですね」

揺れ落ちるウェーブに、大きくてしっかりのハネ感が際立つ。

トップはパーパスでシンプルに巻いて上げ下ろし自在に。かき上げただけで雰囲気よく決まる。

えり足のハネもひと工夫。かつては逆巻きのハネだったが、根元ツイストのスパイラルでラフさと首もとのなじみを両立。

『レクタ』貴龍さんが解説!

BEFORE

カットはセイムレイヤーベースにつなぎ、フロントは前下がりのグラデーションにカット。トップはややマッシュ寄りのバランス。パーマ履歴は5カ月前。毛質は細く毛量は多め。

バック

すべてつけ巻き。根元はシステアミンベース+チオ、毛先は弱めのシステアミンベースを使用。髪の溜まるえり足は根元をねじり、ズレをつくる。

中間からスパイラル巻き。正中線の左側は9㎜、右側は8㎜を使用。右側は毛量が少なく、元々の毛流で髪が流れてかかりが弱いため、ロッド径数を1段下げる。

えり足の2段目も同様。根元をねじり、スパイラル巻きにする。

サイド

サイド1段目(=アウトライン)は間引いて抜けをつくる。毛先をやや外して14㎜で平巻き。

隣のパネルも同様。間引いて抜けをつくる。15㎜で逆巻きにする。

サイド2段目。顔まわりは13㎜で中間からリバースに巻く。スライシングで間を開けて、2本目は円すいで根元からフォワードに巻く。

奥の3本目は13㎜でリバースに巻く。写真はそれぞれの間がスライシングで間引かれている。

サイド3段目。2段目と交互になるよう、顔まわりは円すいで根元からフォワードに巻く。

2本目、3本目も2段目と交互になるよう、使うロッドと巻きの向きを変える。間引く毛束の位置もずらす。

顔まわり

顔まわりは左→右への毛流れが強い人が多い。右側のこめかみはその流れに従い、17㎜で毛先から巻く。

正中線は毛流れに合わせてジグザグに分け取る。今回はアップバングにするため、より毛流れに合わせることが大事。

右側の毛束をかなりオーバーにアップステムに引き出し、20㎜で毛先巻き。

左側のこめかみは元々毛流れが強いため、前に向かってすでに半回転ほど動きが入っている状態。20㎜で右側より一段上げ、さらに半回転分少なく巻き込む。

正中線の左側もオーバーにアップステムにして20㎜で毛先から巻く。

モヒカンラインは20〜23㎜でパーパスに巻き下ろす。

順に進み、最後の1本(=えり足の上にのる毛束)は20㎜で逆巻き。えり足とのつながりをよくする。

スライシングでよけておいた毛束を巻く。顔まわり側に残した3本をまとめ、20㎜で逆巻き。

バックサイド側の残りの2本をまとめ、17㎜で逆巻き。このスライシングパーマが抜け感のポイント。ロッド径を2段ほど上げて大きいリッジを混ぜる。

ROD ON

えり足は根元のみツイストのスパイラル、サイド〜ミドルはミックスのスパイラル、前髪は毛流れに合わせた平巻き、モヒカンラインはパーパスに巻く。サイド〜ミドルのスライシングで外した毛束は逆巻き。スパイラルは根元、中間、毛先と巻き始めを変えてリッジの効く位置をズラす。レギュラーロッドと円すいロッドでウェーブ形状もズラしていく。

WASH OUT

巻き上がりから8分自然放置して中間水洗。2剤はブロム酸で7分-7分の2度付けにする。スタイリングはトリートメントフォームをなじませて自然乾燥し、ワックスを少量つけて整えて完成。

今回レクチャーして下さったのは……「RECTA」貴龍さん

よしたつ。『レクタ』ディレクター。国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業。ひと目でそれと分かる、貴龍印の効いたムードあるパーマは業界内外にファン多数。@yoshitatsu___

【SALON DATA】
RECTA(レクタ)
東京都渋谷区神宮前6-12-2 KTビル2F 03-6805-1430

photo: Umetsu Shota text: Sugiura Akiko

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RECTA 貴龍

よしたつ。『レクタ』ディレクター。国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業。ひと目でそれと分かる、貴龍印の効いたムードあるパーマは業界内外にファン多数。

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