卓越したカットテクニックで数々のコンテストでの受賞歴を持つ『ガルテ』池田充聴さんの今連載。今、ヘアシーンに欠かせない“レイヤー”がテーマ。美しいカットから生まれるオーラ溢れる髪に迫ります。 最終回となるVol.3は、きれいなレイヤーが連なるロングレイヤースタイルを紹介します!

「GARTE」池田充聴/ロングレイヤーの入れ方編
BEFORE

腰上まで伸びるスーパーロング。これほど長さがあると、レイヤーの入れ方、バランスのとり方が難しいと思われがちですが、僕の「誰でも簡単にレイヤーを入れるテクニック」があれば、レイヤーが苦手な人でも大丈夫! 簡単にレイヤーを入れることができます。現在、サイドバングにレイヤーが入っているので、サイドバングから毛先に続くようにレイヤーを入れていきましょう。
PROCESS

(左から)
①サイドから2 ㎝幅の毛束を取りだします。毛量や求めるレイヤーの長さにもよりますが、今回は片サイドを4 パネルにわけてカットします。
②真上に持ち上げ、床と平行にカット。引き上げる際、角度がつくと、左右対称に仕上がらないので注意して。
③一発できれいなレイヤーが仕上がります。今回は片サイドを4パネルに分け、これを4回繰り返します。
【動画でCHECK.1】
どれくらいの長さでレイヤーを入れたいのか、鏡で確認してから真上に引き上げると、長さのイメージをつけやすいですよ。

(左から)
④2パネル目も同様に2㎝幅でパネルを取ります。
⑤どこでカットするのか長さを確認したら、真上に真っすぐ引き上げ、床と並行にカット。
⑥1パネル目がサイドバングのレイヤーときれいにつながりました。

(左から)
⑦3パネル目も同様にカット。そして、4パネル目、イヤー・トゥ・イヤーにかかるパネルは放射線状にパネルを取りだします。
⑧引き出すときは、今まで通り、真上に真っすぐ引き上げて、床と並行にカット。
⑨BEFOREで入っていたサイドバングから、流れるようにレイヤーがきれいにつながりました。
【point.1】

サイドに入ったレイヤーを真上に引きだしたのがこちら。きれいな4 段が見て取れるのは、4 パネルでそれぞれカットしているため。

(左から)
⑩バックを放射線状に3パネルに分け、毛先に軽くレイヤーを入れます。まずは中央のパネルを取りだします。
⑪サイドのレイヤーと同様に真上に引きだし、床と並行にカット。
⑫次のパネルは、最初にカットしたパネルをガイドにレングスを整えます。
【point.2】

サイドもバックも、パネルを引き出すときは、真っすぐ真上に引き出してカットして。引き出した後に、パネルをたわませてカットする場合もありますが、真上に引き出したままカットしたほうがブレのないきれいなレイヤーに仕上がります。

(左から)
⑬ドライ後、チェックカット。レイヤーをコーミングしながら、ポインティングで毛先を整えます。
⑭左右共に丁寧にコーミングしてチェックを。
FINISH

顔まわりに左右対称でレイヤーが入った、スーパーロングのレイヤースタイル、かっこいいですよね。このスタイルは、左右対称にレイヤーを入れるのがポイント。そのためには丁寧にパネルを引き出すことが重要になります。サイドは2 ㎝ほどのパネルを左右対称にカット。このとき、真っ直ぐ真上に引き出すこと。今回のモデルさんはスーパーロングなので、髪を真上に引き出すのが難しいのですが、パネルをたわませるとレイヤーがズレてしまうので、必ず真っ直ぐ上に引き出してください。
【動画でCHECK.2】
今回のレイヤースタイルのポイントは、左右対称に仕上げること。そのためには、しっかり鏡で長さを確認しながら切り進めること。お客さまの顔が傾いていると、左右対称に仕上がらないので注意してください。

今回レクチャーして下さったのは……
「GARTE」池田充聴さん

いけだあつとし。『ガルテ』代表。国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業。都内有名店を経てイギリスに留学。帰国後、22歳という若さで同サロンの前身となる『グラデュエイト』をオープン。約3年後に『ガルテ』にサロン名を変更。2017年、2018年とサスーンのカットコンテストで2年連続優勝。2022年、GAMOのエリアサーキットで優勝。他にも数々のコンテストで入賞を果たす、業界でも注目のカットの名手。