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29 Sep 2025
29 Sep 2025
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THIS IS WHAT YOU NEED お悩み解決! メンズヘアドクター。 vol.5

【今月のお悩み】短くした髪を、秋冬に向けてイイ感じに伸ばしていきたい!

夏にベリショに挑戦! 短い髪を楽しんだ後は伸ばしたいものの、ハチ張りや絶壁の悩みに加え、サラサラの髪質だけに動きが出にくい……。アンサーはズバリ、骨格補正効果も旬度も抜群な「スイングショート」だ。

【BEFORE】

【AFTER】髪も骨格の悩みも一気に解消!注目の「スイングショート」

相談するのは…扇 英也さん(大学4年生)
解決してくれたのは…室井聖也さん(MEN’S salon GOALD渋谷神南)

扇くん(以下扇) 短髪、すごく評判よかったです! 次は伸ばしたいなあと思ってて。

室井さん(以下室井) いいね、秋に向けてシフトチェンジしよう。扇くんは直毛で収まりやすいから、髪の長さは変えないけれど軽さを入れて、スタイリングしやすくしていくね。

 どんな感じですか?

室井 ズバリ、「スイングショート」という今イチ押しのヘア。前髪は長さを残し、上にかぶさるトップはハイレイヤーで切り込んで、動きを出しつつサイドはタイトめに。全体のウェイトを少し高めにしてすっきりと爽やかだけれど、前髪やミドルの厚みを残すことで骨格もキレイに見えて伸ばすのもラク。

 それはうれしい。スタイリングも簡単にできますかね?

室井 もちろん! アイロンを通して熱を与えたら、いつものように毛束をクシュクシュとつまむだけ。勝手に束感が出るようにカットで計算しているので、時短スタイリングが叶うよ。

〜カットを終えて〜

 立ち上がりもえり足の柔らかい質感もイイ感じです!

室井聖也さんのお悩み解決テクニックを解説!

BEFORE

サラサラの直毛。毛量は多く、やや硬めの髪質。ダメージはなし。

CUT

ブロッキング。骨格がいちばん張っているところの少し上で分け、バックはぼんのくぼの丸みのやや上を目安にする。後頭部の右側が左側に比べて凹凸がゆるやかなため、左側よりもブロッキング位置をやや下げ、後頭部のボリュームが左右で揃うようにする。

サイドも同じようにいちばん張っているハチよりもやや上で分け取る。

まず耳まわりをスッキリと整える。コームでガイドをつくりながら、飛び出る毛をトリマーで落とす。

サイドのアンダーはレイヤーで短く詰める。刈上げずにシザーで丁寧につくることで柔らかく、なじみのいい仕上がりを目指す。

えり足の1線目は45°に引き出してグラを入れ、2線目以降は上の写真の通りレイヤーを入れる。この時、横スライスでレイヤーを積み重ねるのは、左右差に影響されずに骨格を補正していくため。

横スライスでカットしたものを、縦に取り直してチェックしていく。最初にブラントでつないだ毛先をチョップカットでよりなじみよく仕上げる。

ウェイトラインとなるミドル1線目はグラデーションでアンダーからのフォルムとつなげる。イヤートゥイヤーまで行う。※サイドは前髪からつなげるのでここでは触らないでおく。

前髪は両黒目の内側の幅で長さを設定する。左右それぞれこめかみの手前まで平行ラインでつなぎ、こめかみ部分はややラウンドさせてマッシュのニュアンスを加える。

前髪からつなげるようにしてサイドをカット。ラウンドさせたこめかみの端をガイドにして、やや前下がりにする。

トップはつむじから放射状にレイヤーをつないで動きを出しやすくする。

つむじから前髪のラウンドコーナーにかけてブロッキング。ここを分け取ることでどこを切っているかが明確になる。前髪の重さを残しながら、内側の溜まりを取り除いていく。まず1線目はグラでカットして厚みを残す。

2線目以降はレイヤーを入れてトップの動きとなじませつつ、ハチまわりの膨らみを押さえ、骨格を補正する。

前髪は先ほどつくったアウトラインをガイドに2線目まではグラを入れて厚みを残す。3線目以降はレイヤーを入れて動きを出す。

セニングで毛量調節。目でよく見て溜まっている部分を間引くようにして落とす。「目で切るという意識です」。特に張り出している後頭部の左側はボリュームが出やすいため、根元から行って膨らみを抑える。

右側はやや凹んでいるため、根元を外して中間と毛先にセニングを入れ、根元のボリューム感を残す。こうすることで左右の立体感を合わせる。ただし左右の毛先の質感は揃えたいため、左側は「根元、中間、毛先2回」、右側は「中間、毛先3回」の開閉を行い、同じ開閉数にする。

顔まわりは根元からセニングの刃先で間引き、軽さを調整する。根元の量感を調整しておくことで髪が伸びていく途中も溜まりにくく扱いやすくなる。

CUT FINISH

骨格補正のカットにより、ハチ張りやぜっぺきが解消した。骨格の左右差を整え、根元の量感を調整しているため、このまま髪を伸ばしていきやすい状態に。

STYLING

今回はアップバングにするため、ドライヤーの風を前から当ててベースをつくる。

ヘアアイロンは170℃に設定し、1回スルーして毛束に熱を与える。熱が冷める瞬間に形が決まるため、アイロンを通したら左手でくしゅくしゅと動かし、束感をつくる。

短髪向けのテクスチャーが固めのワックスをチョイス。今回は「COAR HARDEST(コア ハーデスト)」を使用。1回目はマスカット粒大の量を取ってなじませる。必要に応じて付け足す。

手のひらにワックスをよくのばして根元から大きく振るようにしてなじませる。

毛先をつまんで束感を調整する。簡単に動きが出るようにカットしているので、ここはラフにつまむくらいでOK。

FINISH

ウェイトを高めに設定し、えり足をソフトに詰めたひし形バランスに。前から見た時のシルエットのきれいさ、トップの大胆な動きを楽しみながら、フロントはマッシュバングで重めにしているため、伸ばしていくのもスムーズだ。女子には不評になりがちな短髪ヘアだが、甘爽やかさのあるこの雰囲気なら、確実に女子ウケも必至!

【WHAT’S スイングショートとは?】

悩みをフォローしながら、ラクに再現でき、しかもカッコいい。3拍子揃ったベリーショートが誕生したのは今年の5月。室井さんが自分自身の髪や骨格の悩みを解消するには?と考え、生み出したという。

「まずもみあげはスッキリと、バングはマッシュ風の厚みにしておでこの悩みをカバーしています。さらにハチをシェイプしてウェイトを上げ、トップに動きを出したひし形バランスにすることで頭の形をきれいに補正。アンダーを刈上げてツーブロックにすると乗っかった印象になりやすいのでシザーで丁寧に詰めて柔らかく。こうしてアンダーとオーバーを、段差をつけずにつなぐとナチュラルに決まります。『ここが気になるな』『もっとこうしたい』をひとつひとつ拾い上げて解消していったら……。絶妙なバランスの『スイングショート』が生まれました!」

今回のモデルのように短髪から伸ばしていきたい人はもちろん、短く切って気分転換したい人、カラーやパーマのダメージを1回リセットしたい人、これまでと違うベリショにしたい人。

どんな要望にも応え、必ずカッコよくなるネクストヘアに注目したい。

今回レクチャーしてくれたのは……「MEN’S salon GOALD渋谷神南」室井聖也さん

むろいせいや。『ゴールド』プロデューサー。渋谷神南所属。原宿ベルエポック美容専門学校卒業。再現性抜群のカットを武器に男心を掴むヘアを考案。毎月150人近くの新規客が訪れる大人気美容師。@seiya.661_116z

【DATA】
MEN’S salon GOALD渋谷神南
東京都渋谷区神南1-15-7COENビル6F
TEL/03-5422-3657
営業時間/平日12:00〜21:00、土日10:00〜19:00
https://goald.co.jp

photo: Koda Toshimitsu text: Sugiura Akiko

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MEN’S salon GOALD渋谷神南 / 室井聖也

むろいせいや。『ゴールド』プロデューサー。渋谷神南所属。原宿ベルエポック美容専門学校卒業。再現性抜群のカットを武器に男心を掴むヘアを考案。毎月150人近くの新規客が訪れる大人気美容師。

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