資生堂が運営しているヘアメイクアップアーティストを養成するアカデミーSABFA(サブファ)。校長交代で新たなステージへと踏み出す今、新旧二人の校長がSABFAを語る。

SABFAで教えるのは、本物の技術と美しさ
計良宏文さん(以下、計良):僕が校長を務めた5年間は、ちょうどコロナ禍だったんですよ。先行き不透明なときでしたから、どんな状況でも生き残れる〝本物〟の技術者を育てていきたいと強く感じていました。それまで、SABFAはある程度技術がなければ通えないと思われていたので、美容を学びたい人なら誰でも通いやすいコースを増やしたり、オンライン授業を取り入れるなど、DXを活用していきました。
進藤郁子さん(以下、進藤):私が新校長に就任するにあたり、本物を伝えたい、その想いがとても強いですね。
計良:だから、ぐんと熱量の高いコースをつくろうと、今年、週3日、朝から晩まで1年間、みっちり美容を学べる「ヘアメイクアップアーティストコース」を新設したんですよね。
進藤:今年4月に開講し、来年3月の修了に向け、みなさん、課題と向き合い、自分と向き合い、仲間と切磋琢磨しています。
計良:最初は、クリエイションをやっている方など、経験者が多く参加されるのかと思ったら、20代前半が四分の三ほど。サロンが成長を後押しする形で来ている方もいれば、自分の武器をもちたいというフリーランスの方も。時代の不安定さに不安を感じているのは若い世代の方なのかもしれませんね。
進藤:そんな時代だからこそ本物の力が必要だと気づいているんでしょう。バズることが美容師の価値ではありません。バズっている作品をスクショしても見返そうと思わないですよね。見たことを忘れてしまうくらい。でも、〝本物の作品〟は、スクショしなくても脳裏に染みつくんですよ。そして、ジワジワと感情が揺り動かされていくんです。それが本物の力。
計良:そこで大切なのが〝基礎力〟。基礎力を高められれば、流行りに流されるのではなく、流行りをつくり出す立場になれます。
進藤:今後は AIが表現の世界でも活用されていくでしょう。でも、AIには、人を感動させるデザインはつくれません。また、SNSの普及で誰もが評価者となり、「いいね」の数が重視される一方、作品の本質的な価値が見えにくくなっています。昨今、技術レベルは上がっていますが、多くの作品が似通ってしまい、個性が埋もれがちです。だからこそ、本物の美しさを見極める〝審美眼〟を養うことが、これまで以上に求められるのだと思います。
計良:DX化が進んだ今だからこそ、人間臭さや泥臭さといった本質的な部分や、ゼロからイチを生み出す苦しみもここで学んでほしいですね。
進藤:自らの個性でトレンドを創り出せる人間になりたいと思うなら、ぜひ来ていただきたい。もし、悩んでいたり、タイミングを見計らっているなら、まずは一度来てみてください。結局はやるか、やらないか。その気持ちさえあれば、SABFAは惜しみなく最短ルートで成長できる環境を提供します。
8代目校長(2020年~2025年)
コロナ禍に校長に就任し、学びのDX化を推進。

計良宏文
けらひろふみ。資生堂チーフヘアメイクアップディレクター。資生堂美容技術専門学校卒業。豊かな表現力と圧倒的な完成度が魅力。Instagram @kerareation


コースを増やし、学びを多様化させるべくオンラインコースも開講
コロナ禍という未曾有の社会不安のなか、学びの多様性を追求。従来2つだった通学コースを5つに拡充し、さらにオンラインコースも開講した。
9代目校長(2025年~)
一過性の流行りではなく、人を感動させる“本物”を学んでほしい。

進藤郁子
しんどういくこ。SABFA9代目校長。横浜理容美容専門学校卒業。SABFA卒業後、資生堂入社。JHA受賞歴あり。Instagram @ikuko_shindo_official

クリエイションのためだけではない、ここは“美”を学ぶ場所
SABFAは、クリエイション活動を行う美容師のための学校だと思われているが、ここは“美”を学びたい人すべてに門戸が開かれている。

“美”を学びたい人なら誰でもOK
美容師免許がなくても受けられるコースもあり、美容専門学生や美容系YouTuber、一般の方が“美”を学びに来ることも。

一過性の流行りではなく、本物の“美”を追求する
バズる作品ではなく、人を感動させる作品をつくるために学ぶ“美”。本物を知れば、長く支持される美容師であり続けられる。
2026年4月開講コース紹介
東京・原宿校
ヘアメイクアップアーティストコース(12ヶ月)全120回
メイクアップコース(6ヶ月)全20回
アドバンス メイクアップコース(12ヶ月)全40回
クリエイティブヘアコース(6ヶ月)全20回
オンライン校
オンラインヘアプログラム(4ヶ月)全12回
オンラインメイクアッププログラム(4ヶ月)全12回
TOPIC
進藤郁子さんの新刊発売!

MAKEUP NOTE
予価¥2,530/文化出版局刊
進藤郁子さんによるファッション大好きな人のためのビューティーブック。この本では「ファッションイメージ別――いい塩梅のメイク」を提案。普遍的なテクニックに加え、今っぽいポイントや抜きどころも惜しみなくお伝えします。自分らしいファッション×メイクのトータル表現を楽しみたい人、必携の一冊。
photo:Amino Yoshika(Heritage) text:PREPPY