月刊「PREPPY」2025年12月号の表紙を飾った柚香光は、現在、ミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』に出演中。本作は、シリーズ化から33年を経たファンタジー小説「十二国記」が原作とあって、ミュージカルとしてどう描かれるのかに注目が集まっていた。「PREPPY Web」は、初日前日に行われたゲネプロで本作を観劇。ここで直面した衝撃の光景を、公演前の囲み取材会でのコメントと合わせ紹介する。

主人公の葛藤や成長がリアルに伝わる舞台体験
2025年12月9日に開幕したミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』。シリーズ累計1,300万部を突破している小野不由美氏のファンタジー小説があまりに壮大な物語とあって、3時間という尺でどう描き切るのか、そこに大きな注目が集まっていた。2025年9月の製作会見で演出家の山田和也氏は「どういう語り口にすれば舞台化する意味や価値があるかを一生懸命考えながら作っています。何もなくても“ここがそういう場所だ”と宣言してしまえば舞台はその場所になれるので、あまり大袈裟なことはしないです」と語っていたが、実際に目にした本作は、まさにその通りの展開だった。

また、ゲネプロ直前の囲み取材会で柚香光は「陽子(ヨーコ)は次から次へと襲いかかる試練に立ち向かいます。前に進もうと思ったら次の試練がきて、希望が見えたら次の出来事が起こる。彼女の怒涛の旅路を皆様も一緒に体験、共感して、成長を見守って、心を寄せていただけたらと思います」と語っていた。これもまさにその通りで、柚香演じるヨーコ(地球上には存在しない異世界に連れ去られた中嶋陽子)が苦しみ、葛藤し、戦いながらたくましく生きていく姿にぐいぐいと引き込まれる。
演出以上に度肝を抜かれる役者陣のぶつかり合い

「PREPPY」本誌のインタビューで柚香光は「妖魔の演出も期待してほしい」と言っていたが、妖魔はもちろん半獣の楽俊もまったく違和感なく舞台に存在し、すんなりとヨーコの旅路を一緒に進んでいる感覚に陥った。さらに度肝を抜かれたのは人と人とのぶつかり合い。ヨーコが対峙することになる異世界の住人たちの躍動感、迫力はまさに圧巻。ヨーコの不安を煽る蒼猿/塙王(玉城裕規)は奇怪な動きを見せ、楽俊(ゲネプロでは太田基裕。牧島 輝とのWキャスト)は、背に背負うネズミを巧みに操りながら包容力たっぷりの優しさでヨーコを包む。そして、ヨーコが立ち向かう偽王・舒栄(原田真絢)は声量と圧倒的な歌唱力で身の危険を感じさせるような緊張感を客席にまで轟かせた。そして何より、ヨーコと陽子を2人の役者が演じることでの臨場感が圧巻。セーラー服がどんどんボロボロになっていくヨーコと、日本で生活をしていたままの姿で現れる加藤演じる陽子が存在することで、ヨーコの心の機微や心境の変化、成長が痛いほどに伝わってくるのだ。


作者の小野氏に「原作者も感動していると伝えてほしい」と言わしめた本作。柚香は囲み取材で「女性として歌うことが本当に難しい。全然満足していないんですけど、今日より明日、明日より明後日、その先もまたその先も……という気持ちで、皆さんに“何度も観たい”と言っていただけるように頑張ります」と語っていたが、その言葉は陽子(ヨーコ)に重なる。だからこそ、観客は舞台上で繰り広げられる壮大な物語に引き込まれるのだろう。
写真/徳永 徹 取材・文/高橋真希子
【INFORMATION】
ミュージカル『十二国記 –月の影 影の海–』

原作:小野不由美『月の影 影の海 十二国記』(新潮文庫刊)
脚本・歌詞:元吉庸泰
音楽:深澤恵梨香
演出:山田和也
公式サイト:
https://www.tohostage.com/12kokuki/
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