サロンワークのほか、雑誌の撮影など多方面で活躍中の『ユーリー』代表の菊地真理恵さん。現在、妊娠中で、ママ美容師になる日も近いのだそう。今回は30歳のときにその後の美容人生を変える大きな決断をしたという菊地さんのお話をじっくりお聞きしました。
美容師になろうと思った
時期ときっかけは?
高校のとき、生涯を通して人と関われる美容師を選択
高校が女子校だったこともあり、よく友だちの髪を巻いたりアレンジしたりしていたのですが、喜んでもらえるのがうれしくて美容師っていいなと思っていました。その一方で、洋服をつくったりリメイクしたりするのも好きだったので、アパレル業界に進む道もいいなと思い、しばらく悩んでいたんです。でも洋服のお仕事は、エンドユーザーであるお客さままでつながることは難しいですよね。その点、美容師はお客さまと直接、いろいろな話をしながら密に関わることができ、お付き合いも長いものになります。生涯を通して人と関わりたいという気持ちから、美容師を選択しました。また、美容師は国家資格なので、両親が安心して娘を東京の美容学校に送り出してくれたのだと思います。2年間、東京の街の刺激をたくさん受けながら楽しい学校生活を送りました。
美容師になって
大変だったことは?
アシスタント時代は体力的にも精神的にも辛かった!
卒業後は東京・大田区にある地域密着型サロンに就職。そこはクリエイティブ撮影に力を入れており、カッコいいなと思ったんです。当時は朝も夜も練習、1日中サロンに立っている時間が長く、体力的にも精神的にも大変でしたが、いつか素敵な美容師になれると信じて同期の子たちと励まし合い、助け合いながら頑張っていました。営業後のモデルハントでは、最初は「自分がどうしたいか」が先行し、うまくいかないことも……。途中で「相手にどう思われるか」が大事だということに気づき、初対面の方と話すときの考え方が徐々に変わっていきました。2年でデビューし、先輩のお客さまを引き継いだりしながら顧客を増やしていったのですが、キャリアを積む中でふと、もっと前に進めたらいいなという思いが湧き上がってきたんです。
美容師になって楽しい!&
よかったことは?
お客さまとまわりの人への感謝と喜びが大きいです
以前のサロンでは10年経つと後輩が増え、任せていただくことも増えていきました。後輩のフォローには時間をかけるべきですし、私も時間をかけてもらったので、そうしなければと思いつつ、自分自身がもっと成長していろいろなことを学びたい気持ちが大きくなったんです。そこで環境を変えることを決意し、30歳で現在のサロンの前身となるサロンに転職しました。シャンプーや施術が前のサロンとは違っていて、新卒の子と一緒にシャンプーから教えていただきました。でも恥ずかしくはなかったです。むしろ親身になって教えていただき、ありがたいと思いました。美容師になった当初は少ないながらも来てくれるお客さまへの感謝と喜び、まわりの人から助けられる喜びが大きく、今はまた違った喜びがあり、毎日楽しいです!
今秋の出産を控え、
ママ美容師になる期待と不安は?
もっとうまくなり、新しいお客さまに出会いたい
転職して1から出直したことで、美容師を「年数」ではなく「人」で見るようになりました。人の数だけ考え方があり、自分も変わっていかなければいけない、時代も変わる。自分の思う当たり前は当たり前じゃない。そこにこだわりを持たなくなりました。そうして努力を重ね、4年後に『ユーリー』ができて代表になったのですが、日々もっとうまくなりたい気持ちもまだまだあります。キャリアを積む中で「やりがい」の形は少しずつ変わりますが、ずっと楽しく美容師を続けられるのは共に歩んできた仲間やお客さまのおかげです。昨年、結婚し、今年の秋に出産予定なのですが、年末には時短で復帰したいと思っています。夜の時間のお客さまは難しいですが、今までのお客さまを大切にし、新しいお客さま層へのアプローチなど、いい意味での変化に期待しています!
今後の目標を
教えてください!
女性スタッフの理想や希望の存在になりたい
近年、InstagramやTikTokなどのSNSで集客できるようになり、お店よりも美容師個人を選んで来店される方が増えたと思います。私のスタイルを見てご来店くださる方が多くなり、それはうれしい反面、お客さまの想像や期待を超えるスタイルを提案しなければいけないというプレッシャーでもあります。改めて心を引き締めて毎日頑張っていきたいです。また、私が結婚・妊娠・出産を経て復帰することで、女性が長く働けるサロンの明るい未来の形になれたらいいなと思っています。いろいろな変化があると思いますが、その変化を楽しみながら美容師としての新しいスタートを切りたいです。お客さまにとっても、スタッフにとっても、家族にとっても、カッコいい美容師でいたいですね。美容師は体が資本。体を大切にしながら、一生涯、美容師を続けていきたいです。
Work -菊地さんの作品-

レイヤーをしっかり入れ、骨格をきれいに見せるヘルシーなパーマをかけたボブ。セミウェットな質感で、カッコよさの中に女性らしさをプラス。
こだわりのBEAUTY ITEM

バスソルト<フォレスト>/ジョンマスターオーガニック
友人からいただいて使って以来、気に入ってリピートしています。お風呂タイムは幸せなひとときなので、必ず何か入れてリラックス効果を高めています。

(左)ユイル・アンティーク フォレ・ドゥ・コミ/ビュリー
お風呂上がりに付けるボディオイル。ウッディな香りがお気に入り。
(右)サヴォン・スゥペールファン リケン・デコス/ビュリー
この石鹸は香りが6種類あり、ランダムに購入して香りを楽しんでいます。

ラグジュアリー・デ・エイジ パワーマスク/アンプルール
肌にハリ・コシを与えてくれるクリーム。お風呂上がりに首もとにつけています。YouTubeで女医の方がすすめていたのを見てネットで購入しました。
Q & A
Q 休日は何をしていますか?
A ドライブによく行きます。温泉や自然が大好きです!
Q 好きなブランドは?
A TODAYFUL、Whim Gazetteの服をよく買います。
Q 今、ハマっていることは?
A 美術館に行って絵画を見ることです。
photo: Yamazaki Mitsuru text: Morinaga Yasue