業界きってのサステナ番長『ロンド』石田さんと共に「ウェルビーイング」を探して旅する本連載。第2回となる今回は、自分自身を整えるための「ジャーナリング」と、心の境界線を守る「バウンダリー」に注目。そこで、米国公認心理カウンセラー小槻珠愛さんを講師に、『ロンド』定例会で行われたジャーナリングに編集部も参戦! 多忙な美容師が自分らしく働くためのヒントを紐解いていく。
編集部: 『ロンド』定例会、おつかれさまでした! 今回、編集部も初めて「ジャーナリング」を体験してみて、いろいろな気づきがたくさんありました。
石田: 自分の頭の中って、自分でも把握しきれていない「ノイズ」で散らかっているものですが、それを紙に書き出して、可視化するのがジャーナリング。書き出すだけで心は驚くほど軽くなるんですよね。
小槻: 今日は300人が同時にジャーナリングするという、私も初めての体験でしたが、皆さんしっかり向き合ってくれていましたね。
編集部: そもそも、なぜ書く行為で心が落ち着くんですか?
小槻: 脳科学で証明されているんですが、感情を言語化することで、脳の扁桃体という不安を感じる部位の興奮が鎮まるんです。美容師さんはお客さまの感情を汲み取る共感力が高い分、自分自身の感情を後回しにしがち。ジャーナリングは、その「後回しにしていた自分」をケアする、いわば心のメンテナンスみたいなものなんです。
石田: じつは前回お話しした「バウンダリー(※1)」の考え方にも繋がるんですけど、自分と他者の境界線を守るためには、まず「今の自分はどう感じているか」を客観視するスキルが必要。実は僕自身、経営者として仕事と個人的な楽しみの境界線はとても曖昧で、バウンダリーという考えを腹で理解するまでには時間がかかりました。だから今日はジャーナリングの会ですけど、小槻さんにお願いしてバウンダリーの講習も入れてもらったんです。店の最前線にいるスタッフにも必ず役立つ考えになると思って。
編集部: お客さまと向き合うために、自分の心を整える。それが結果として、お客さまとの「エンゲージメント(※2)」も高める、ということですね。
小槻: 朝の5分、ノートを開いて「今、何を感じているか」を書き出してみる。それだけでも、その日一日のお客さまへの言葉選びや、サロンでの立ち居振る舞いが変わってくると思います。
石田: 自分自身が穏やかな気持ちでいれば余裕を持ってお客さまと向き合える。特別なことじゃなく、小さな習慣と実感の積み重ねもウェルビーイングじゃないかなって思いますね。
編集部: ところで、スマホでメモを取るのと、手書きの違いってあるのでしょうか?
石田: スマホだと、どうしても通知やSNSの誘惑に負けて脳の報酬系が刺激され、結果スマホ依存に陥りがちです。ノートとペンに向かうことは強制的にデジタルから離れ「書く瞑想」の時間に入ることができる。
小槻: そうですね。手書きは「今、ここ」に意識を戻す行為。とりあえず頭の中のモヤモヤを外にはき出す「ブレインダンプ(※3)」をすることで、自分自身の感覚を取り戻せる。このアナログな行為こそが、自分の心を守る入口になります。
編集部: なるほど、とても納得できます。心へのアプローチと同時に、身体とウェルビーイングの関係についても、この連載では考えていきたいですね。
石田: あ、それだったらロンドの「部活」はどうでしょう。今度その集大成ともいえる運動会をやるので見に来ませんか。
編集部: 『ロンド』の運動会! 楽しそうなのでぜひ(笑)。次は走れるシューズで伺います!
CHECK!
※1 バウンダリー
自分と他者を分ける「心の境界線」。自分の気持ちやニーズ、責任と相手のものを区別するためのもの。適切なバウンダリーを持つことは、自分を守り、心地よい人間関係を築くために大切です。
※2 エンゲージメント
ここでは美容師(サロン)とお客さまの間に生まれる信頼や愛着、双方の強い結びつきのこと。
※3 ブレインダンプ
不安、モヤモヤ、思いつきなどを「とりあえず」紙に吐き出し脳内の容量を軽くする思考整理法。





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photo & text: PREPPY