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28 Oct 2025
28 Oct 2025
           

SET IT OFF: MEYOU’S STYLE 02

ジャマイカで身につけた編みの技術と、日本が誇る繊細なバーバー技術を合わせたブレイズやコーンロウなど編み系スタイルを武器に活躍するMEYOUさん。今のバーバーシーンに欠かせない、唯一無二の存在感を発揮する。独自の作品性と生み出すための技術、今に至るまでの道のり。その魅力に迫る2回連載、後編をお届けする。

photo: Okazaki Kenji(model), miyako photo @miyako075(MEYOU) text: Sugiura Akiko, model: Kinjo Kiryu

MEYOUさんのシグネチャースタイルである「コーンロウ」。独特の存在感を放つこの髪は、アフリカ大陸がルーツ。「かつては単なるヘアデザインではなく、階級を表す髪型でした。派手にするほど位が高いとされていたそうです」。伝統的、かつ装飾的な髪が現代ではカルチャーやファッションとして受け止められ、世界中で多くの人気を得る。「コーンロウの魅力はその人のキャラクターを高めてくれることですね」

コーンロウをつくる上でMEYOUさんがこだわるのは、スタート(=生え際)を放射状につくること。右の写真の通り、センターから美しく広がるラインは編みの質感と並ぶ、コーンロウの見どころでもある。放射状にすると骨格や生え際の形に左右されずにデザインが決まるという利点も。表編みではボリュームが出るため裏編み込みでタイトに抑え、上の写真の通り、えり足にかけて徐々に毛束を細く編み収める。

MEYOUさんのテクニックを解説!

【BEFORE】

髪質は太く、毛量は多め。元々カールしているような毛質のため、ボリュームが出過ぎないよう裏編み込みでタイトにしていく。

生え際〜ネープまでリングコームのテールを使い、センターで分ける。水性ポマードのような質感の「ジャム」を根元になじませる。

ネープはブレイズにする。しっかりとテンションをかけてきつく裏編みにする。毛先は細くなるのでゴムで結ばなくても自然と留まる。左ネープも同様にする。

生え際から放射状にスライスを取って編む。放射状にすることで生え際の形に左右されずにキレイな仕上がりになる。ジャムをつけながら、編み進む。

放射状にスタートし、頭の丸みに合わせてゴールデンポイント付近が一番太くなる。バックは直線的に平行ラインで進み、最後はブレイズ。毛先までそのまま編み、最後は自然と留まる。これを全頭繰り返す。

ここからコーンロウの「編み」をクローズアップ!

1線目の毛束を取る。

毛束をa・b・cの3つに分ける。

bをaの下にくぐらせる。

cも右手で持つ。こうすることで片方の手が空くのがジャマイカで習得した技術!

bをcの下から引き出す。根元が固定される。

cをaの下にくぐらせる。

aをbの下にくぐらせる。

ここでひと編み終了。ギュッとテンションをかける。

2線目(d)をすくい、cと合わせる。

bをc&dの下にくぐらせる。

c&dが中央にくる。aをピンと張る。

c&dをaの下にくぐらせ、右手で持つ。続いて3線目(e)をすくい、同様に繰り返して編み込んでいく。

【フィニッシュ】

生え際から放射状にスライスして編み込む、コーンロウの中ではスタンダードなデザインが完成。おでこの形や生えグセに左右されずにつくり込める。

【INTERVIEW】
いずれは再びアメリカへ。その夢のためにまずはアジアで旋風を起こしたい。

クールでカッコいいコーンロウを披露してくれた『FRANK’S CHOP SHOP』のMEYOUさん。自分の夢に向かって邁進するMEYOUさんの今、そしてこれからとは? 前編ではジャマイカでの修行、バーバー×編み系ヘアというMEYOU‘S STYLEが生まれる道のりを紹介。この後編ではこれからの取り組みについてインタビュー。

MEYOU

みゆう。関西美容専門学校卒業。バーバーの技術と編みの技術をフュージョンしたヘアを得意とする。jRL、レイライトのアンバサダーを務めるなど活躍中。インスタグラムアカウント:@meyou.pma (MEYOU’s hairstyling: Yuuka Goto)

––今、jRLのアンバサダーとしても活躍されていますね。

はい。アンバサダーになる前から、ずっとjRLの商品が好きで愛用していたんです。それでjRLアメリカをタグ付けしてストーリーを投稿を続けていたら、先方からコメントをもらうようになって。当時、日本ではまだ認知される前だったので、私の存在は珍しかったと思います。何度かやり取りをさせてもらう中、「jRLが大好きだから、広めたい」という思いを伝えたところ、バリカンやシェーバーを贈ってもらい、公認のアンバサダーとして活動を始めました。今はアンバサダーとしての活動ですが、いずれはマイアミで行われているエデュケータープログラムに参加して、エデュケーターとしても活動していきたいと思っています。

––そのためにも、中国やアジアで活動を?

そうなんです。アメリカに行く前にもっと日本のバーバーシーンを盛り上げて自分自身の存在価値を高めていきたい、と。ご縁があって中国で開催されるイベントにも出演させてもらっていて、年内にもう一度行きたいと思っています。中国でも、さまざまな地域のバーバーが集まってチームを組んで活動しているのですが、みんな、すごくカッコいいんですね。タイなど他のアジアの国でもバーバーシーンが盛り上がっています。今はアジアが面白い!

––これからの活動については?

海外のバーバーと比べると、日本の理容業界はまさに職人集団。チームを組んで盛り上がっている印象もありますが、それでもまだまだ個が強いように感じます。

美容業界にはお店の垣根を超えてチームで作品を制作するという発想が根差していますよね。バーバーはまずサロンワークを何より大事に考える。そこを軸にして、お客様との1体1の関係がベースなので、なかなか誰かと一緒に何かをつくるという機会やそうした感覚が少ないように思います。もちろん、その職人気質なところや技術の高さが魅力ですが、もっとみんなで業界全体で盛り上がっていけたらと、海外に行くとより強く思いますね。ニューヨークにはTik Tokでめちゃくちゃバズっているバーバー集団がいますし、先ほどの中国もそう。私が言うのも本当におこがましいのですが、同じように「チームジャパン」としてアジアから世界に向けて日本のバーバーのカッコよさを発信していけたらいいな、なんて。

懇意にしていただいている『Apache』の川上さんや『MR. BROTHERS CUT CLUB』の西森さんとさまざまな機会にご一緒できるのは本当に嬉しいですし、その他にも、例えば、女性バーバーで組むのも面白いでしょうし、若手バーバーが集まってなんかパワフルなことができたら、と模索中。こうして思いを巡らせることが楽しく、何より私自身を次に向かわせる原動力になっています。

幼い頃からのアメリカへの夢、そのためにもまずはアジアで活動を広め、目の前の一つひとつに注力する。同時にチームジャパンで盛り上げたい!という熱い思いも。目を輝かせて語るMEYOUさん。なんともエネルギーに行動する一方、丁寧に言葉を紡ぐ姿に理容師の仕事に真摯に向き合っていることが窺える。これからも彼女の活躍に注目したい。

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https://forms.gle/xeA3xKoPBXfRpjT3A

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MEYOU

みゆう。関西美容専門学校卒業。バーバーの技術と編みの技術をフュージョンしたヘアを得意とする。jRL、レイライトのアンバサダーを務めるなど活躍中。

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