注目の若手スタイリストが作る最新トレンドスタイル。
過去2回の特集に登場してくれたスタイリストは今や日本を代表するスタイリストへと成長している。
今回登場の4人ももちろん未来のスターたち。そのスタイルに注目だ。
teppei/nanuk


毛束1本1本に意志を込め、その人の個性にフィットさせる。
髪と人をこよなく愛する表現者。teppeiのデザインに触れて、そして本人と何度も話をする中でこんな印象が強く残った。対象の本質を引き出す観察眼と感性。そしてサロンやスタジオだけではなく、東京という街全体を自分のキャンバスにしてしまえる可能性とスケール感。私たちはストリートのキーパーソンが誕生する過程を目の前にしている。
「僕がいちばん大切にしているのは質感と、毛束1本1本をデザインする感性です。一見ラフに見える質感こそ、ていねいな所作と的確な技術がなければ再現できません。その人の髪質や生えグセ、さらにはその人がどの街で、どんな音楽を聴き、どんな服を着ているかまで想像して、1対1でフィットさせていく。背伸びしすぎない、その人の空気感に溶け込むフィット感を何より重視します。僕の目指す姿は、非常にシンプルです。本質的な美容師でありたい。それは髪と真摯に向き合い、一人ひとりにフィットしたデザインを提案し、多くのお客さまから支持されることです。
そして将来は、もちろんサロンワークを第一にしながら、さらにアートブックの作成やヘアプロダクトの開発にも挑戦したいです。さらには、サロンの垣根を越えたクリエイションチームを作りたいと考えています。東京にはかっこいい美容師がたくさんいます。そんな仲間たちと刺激し合い、高め合うことで、日本の美容シーンをもっとおもしろいものにしていきたい。僕自身がもっと価値のある人間になり、次世代へつなげる本質を磨き続けていきます」
teppei(nanuk) History
1997年:大阪府にて誕生。サッカーに明け暮れる日々
大阪府にて誕生。
年少の頃より兄の影響でサッカーを始め、ポジションはゴールキーパーを務めた。
持ち前の活発さとリーダーシップはもちろん、この時期に培われた観察力と、負けを認めない強い精神力は、現在の美容師としての洞察力の土台となっている。
2012年:高校2年生の夏、友人の髪をカットし衝撃を受ける
高校2年生の夏、ノリで友人の髪をカット。
これが大きな転機となる。
3時間の作業が30分に感じられるほどの没頭を経験し、ハサミ一本で人の印象が劇的に変わることに深い衝撃を受けた。
この「初期衝動」が、仕事としての美容師を志す確固たるきっかけとなり、以降、友人の髪を切り続ける日々を送った。
2016年:美容専門学校へ入学。カットへの並々ならぬ熱意
関西美容専門学校へ入学。
ワインディングなどの基礎練習よりもカットに強くのめり込む。
学生とプロが競うコンテストのメンズカット部門で優勝を果たし、早くから脚光を浴びた。
独学でバリカンを使いフェードを研究するなど、デザインへの探究心は群を抜いており、東京のシーンへの憧れを胸に感性を磨いた。
2018年:nanuk入社。不器用さと向き合う修業時代
nanukに入社。
当初は自身の不器用さに苦悩する日々が続いた。
納得しなければ動けない性格ゆえに技術習得には時間を要したが、人一倍のていねいさと誠実さで仕事と練習にすべてを捧げた。
1年目の記憶がないほど過酷な現場を乗り越え、ブランドを背負うプロとしての所作と、本質的な技術を体に叩き込んだ。
2023年〜現在:スタイリストデビュー、そしてトレンド大賞NNC部門受賞
2023年8月にデビュー。自身のこだわりをプロとして狙い通りに形にする術を確立した。2025年にはトレンド大賞NNC部門を受賞。現在はマネージャーとして、nanukのイズムを後輩へ伝承することにも力を注いでいる。



クラシック、かつモダン。ベーシックの魅力をストリートに。
クラシックなオールバックをベースに、サイドにテクノカットのエッジを効かせたモダンなスタイル。あえてトップの厚みを残し、野暮ったいニュアンスを加えることで、流行に左右されない大人びた表情を引き出した。普遍的なノーマルの中に、計算された質感調整とサイドのラインが個性を際立たせるデザインだ。





How To
CUT/サイドはおでこの生え際の延長線から2セクションに分け、アンダーはグラデーションカット。サイドのキワはシェイバーで耳前から斜めにテクノカットを入れる。トップは耳にかぶる長さの前下がりラインで、フロントとバックの角を落とす。セニングはアンダーの毛先中心になじませる。
STYLING/全体を水で軽く湿らせ、ヘアオイルをなじませる。アンダーにのみヘアバームを付け、コームで毛流れを作るように引っ張りながらタイトに抑える。顔まわりは少し散らしてラフに仕上げる。
teppei Three Elements
東京
「大阪から出てきた僕にとって、東京は常に刺激をくれる場所です。人も文化も、ストリートの最前線がここにある。どこを切り取っても絵になるこの街のエネルギーが、自分の感性をアップデートし続けてくれています」
Hiphop
「音楽はもちろん、その背景にあるファッションや反骨精神に強く惹かれます。ストリートから生まれるカウンターカルチャーの熱を、自分のデザインにも落とし込みたい。常にその文化に触れていたいと思っています」
髪
「高校生の頃から、髪を切ること以外はほとんど考えていません。街を歩いていても、雑誌を見ても、無意識にトレンドやデザインのことを考えています。ヘアに没頭する時間がいちばん楽しい時間です」

Message from Mentor

覚悟を胸にnanukのイズムを継承し、渋谷の旗手として進む。
teppeiはアシスタント期間は決して短くありませんでした。正直に言えば器用なタイプではありませんでしたが、うまくなりたいという気持ちは常に人一倍。その前のめりな姿勢は、一緒に仕事をしていて非常に気持ちの良いものです。周囲の先輩たちも個性の強いメンバーばかりだったので、その中できっと沢山もがいたはずです。しかし、そうした葛藤を糧にして自ら成長を遂げたからこそ、今の彼があるのだと感じています。「東京で結果を出す」「かっこいい美容師になる」という強い覚悟を持って私たちと過ごした時間は、今のteppeiの確かな土台となっていると思います。現在は渋谷店の副店長として、nanukのイズムをしっかりと伝えつつ、自分自身のデザインを体現しながらスタッフを牽引する存在です。彼の武器は、若さと危機感、そして行動力にあります。今後は月売上500万円を達成するプレイヤーとなり、より深い愛を持って周囲を引っ張る存在になってほしいと願っています。
(津崎伸二・『nanuk』代表)
photo: Nimonji Takuya text: Men's PREPPY
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nanuk 渋谷 teppei