PREPPY

3 Aug 2026
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3 Aug 2026
hair

「THE DETAIL BATTLE その1㎜に、理由がある」BATTLE 02

同じテーマに挑み、同じ条件で作品をつくる。
しかし、生まれるデザインは決して同じではない。
毛束の重なり、質感のつくり方、アウトラインのわずかな差。
それは、スタイリストたちがこだわり抜く"1㎜"の世界。
本企画では、そんな完成度を左右するミクロの差をマクロで解剖。
シーンを牽引する4組8名が"1㎜"に込めた想いを技術と対談でぶつけ合う。

軽やかに浮遊する毛先が
色気と空気感をまとうボブ

あえて厚みを残したボブスタイル。ジェンダーの境界を曖昧にするシルエットに、ランダムなパーマを合わせた。顔まわりの長さ設定や毛束のズレから生まれる男らしい色気と空気感にこだわり、軽やかに浮遊するような毛先の質感を重ね、静けさと躍動感が共存するシルエットに。
Suzuki Takeru / SCREEN GINZA MAISON.

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1mm DETAIL
鼻先まで残した前髪にパーマをかけ、ほお骨へ流れる毛束のズレを設計。
緻密なカットラインとパーマが生む、繊細で自然なほつれが、
絶妙な色気と中性的な空気感を引き出すディテールに。

How To
CUT/ ワンレングスベース。前髪は鼻先でカットし、サイドバングへつなげる。顔まわりにフロントグラデーションを入れる。
PERM/ アンダー〜ミドルは14〜20㎜で平巻き。トップは17㎜で中間巻き。前髪は17㎜で八の字に収める。
STYLING/ セミウェット時にオイルを全体にもみ込み、ミルクワックスを重ねる。

大きく柔らかなJカールで
モードをまとうマッシュウルフ

モード感のあるマッシュウルフをベースに、丸みのあるJカールで中性的な強さを表現したスタイル。毛先1㎜の長短でカールの回転数を調整し、柔らかな抜け感をつくった。顔まわりとカールのフィット感を緻密に設計し、ドライな質感で騎士王のような軽やかさをもたせた。
Harumiya Masayuki / THE STRAMA

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1mm DETAIL
Jカールは毛先1㎜の長短で回転数が変わり、印象も大きく変化する。
顔まわりへのフィット感まで緻密に設計し、柔らかな抜け感を生み出した。
中性的な強さを支える、毛先1㎜の調整が鍵。

How To
CUT/ マッシュウルフベース。バックはあご下、前髪はノーズラインに設定し、イヤー・トゥ・イヤーへ向かってマッシュラインでつなげる。全体にレイヤーを入れて動きをつくる。
PERM/ 23〜17㎜で平巻きにし、土台からしっかりとした動きをプラス。
STYLING/ドライクリームワックスをもみ込みに、束感をつくる。

SCREEN GINZA MAISON. 鈴木タケル
「憧れを追うだけじゃない。誰かの憧れになれる美容師になりたい」
THE STRAMA 春宮雅之
「受賞はゴールじゃない。更新し続ける表現者でありたい」

王座の先へ進むためにパーマで新しい表現に挑戦


春宮雅之(以下、春宮):

僕たちの共通項はいくつかあるけど、テーマはやっぱりお互いが得意なパーマですね。
鈴木タケル(以下、鈴木):
ですね。昨年、今年のリアルトレンド大賞グランプリ受賞者同士、タイトルに込めた思い「王座を越える」を得意なパーマで表現したいと思いました。
春宮:
そういえば、タケルくんのグランプリ発表の日、髪を切りに来てくれましたね。
鈴木:
同郷で同世代、だけど春宮さんはアシスタントの頃からスナップなどでスポットライトを浴びていたので、憧れていました。だから、昨年グランプリを獲られた春宮さんと話してみたかったんです。受賞できても、できなくても、何かが変わる日にしたくて。
春宮:
来てもらえてうれしかったし、あの日は発表されるまで僕もドキドキすることになりました(笑)。こうして一緒に作品づくりができることにも縁を感じますね。
鈴木:
春宮さんは今回、どこにいちばんこだわりましたか?
春宮:
僕は強さを誇示する王様ではなく、中性的な王をイメージしました。丸みのあるカールで柔らかさをつくりながら、カールの回転数を左右する毛先の長さや、顔まわりへのフィット感を1㎜単位で調整しています。わずかな差で、強さにも柔らかさにも印象が変わるから。そこがこだわったところです。
鈴木:
僕はまずモデルありきで考えました。ボブ×パーマという挑戦的な設定で、男性らしさとジェンダーレスな雰囲気を共存させたかったんです。パーマはベースカットとのズレやほつれ方がすごく大事で、その表現は春宮さんの作品から刺激を受けています。目元からほおへ流れる毛束の動きに色気が宿るよう、カットラインまで細かく設計しました。

自分たちの挑戦が新たな次の挑戦を生む

鈴木:
春宮さんの作品は、以前よりさらに女性らしい柔らかさをまとったように感じました。そこにたどり着いた理由を聞いてみたいです。
春宮:
最近は、女性美容師がつくる柔らかさにすごく惹かれているんです。だから自分がつくるデザインは、男性美容師か、女性美容師かかわからないくらい自然な表現を目指したくなって。その挑戦が今回の作品にもつながっているんです。逆にタケルくんの作品は、ボブ×パーマという難しいテーマなのに、自分らしさがしっかり出ていて魅力的でした。ボブは違いが出しにくいのに、どこで個性を表現したんですか?
鈴木:
スタイルありきではなく、モデルの魅力をどう引き出すかから考えました。風を使って予定調和ではない一瞬を切り取ったり、アンニュイな空気感をまとわせることで、自分なりの色を出したつもりです。そして、これは僕にとっての挑戦でもありました。今までの自分を少し越えたいという思いがあったからです。


受賞は終わりじゃないここからがスタート


春宮:
グランプリを受賞してから撮影の仕事が一気に増えました。同時に、先輩や後輩からも見られる立場になったと感じました。プレッシャーはありますが、それも含めて次の挑戦だと思っています。
鈴木:
僕はまだ「何者でもない」という感覚があります。業界誌デビューからリアルトレンド大賞まで、本当にあっという間の一年でした。だからこそ、当たったスポットライトをどう次につなげるかを考えて、今回は後輩も現場に連れてきました。一緒に作品をつくる姿を見せることも、自分の役割だと思ったんです。
春宮:
タケルくんの撮影を見ていて印象的だったのは、最後まで迷いながら挑戦していたことです。経験を積むと無意識に安全な着地点を探してしまうけれど、新しいものは、その一歩先へ踏み込んだときにしか生まれない。作品と真剣に向き合う姿勢を見て、身が引き締まりました。
鈴木:
僕は逆に、春宮さんの現場での判断力に圧倒されました。照明や衣装、ヘアのバランスをその場で組み立てながら、思い切ってスタイルをくずしていく。でも、そのくずしが成立するのは、カットやパーマの土台が完成しているからなんですよね。その経験値と技術の高さを間近で見られたことが、いちばんの収穫でした。
春宮:
グランプリを獲ることはゴールではなく、新たなスタートだと思っています。受賞したからこそ比較される立場になるし、自分自身を更新し続けなければいけない。その覚悟を、この作品にも込めました。
鈴木:
僕も同じです。ようやくスタートラインに立てたという感覚があります。これからは先輩方の背中を追うだけではなく、自分たちの世代として新しい時代をつくっていけるよう、挑戦を続けていきたいです。

model: Kawano Ota photo: Matsuyama Yusuke(chiyoda-studio) text: Men's PREPPY

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STYLIST

SCREEN GINZA MAISON. 鈴木タケル

すずきたける。『スクリーン ギンザ メゾン』スタイリスト。日本美容専門学校卒業。パーマスタイルが得意。趣味は高校バスケ観戦。

STYLIST

THE STRAMA 春宮雅之

はるみやまさゆき『ザ ストラマ』店長。名古屋美容専門学校卒業。パーマスタイルが得意。インテリア好き。

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