数々のコンテストで賞を獲り、女性クリエイターとして熱い注目を集める橋本さん。1人の美容師として胸に抱く熱い思いと、店長としてスタッフを思い、リードしていく橋本さんの美容哲学に迫ります。
美容師になろうと思ったきっかけは?
仕事を通して多くの人と関わることができる美容師に
美容室を経営している叔母がカッコいいなと思ったことが、美容師を目指したきっかけです。学校で将来の夢を「美容師」と書いたことで、自分自身も美容師という仕事を意識するようになりました。まだ何もできないのに友人たちから「前髪切って!」と頼まれたことも。美容師は仕事を通して多くの人と関わり、ときには友人よりも頻繁にお客さまと会い、髪というとてもパーソナルな部分を任せてもらえる仕事。なにより人が好きな私はそこにいちばん魅力を感じました。美容学校ではいろいろなことに挑戦していたのですが、先生から「そんなにやりたいことがたくさんあるのなら東京のサロンに就職したほうがいいよ」と言われ、1年生のときから月1で夜行バスで東京に行き、いろいろなサロンでカットして自分に合うサロンを探していました。
『スクリーン』入社の決め手は?
運命的な出会い、そして強い思いが通じて晴れて入社
素敵なサロンばかりでしたが「東京で働く」ことがなかなか想像できなかった私は、神戸にオープンしたばかりの『スクリーン』のホームページを見て強く惹かれ、すぐ電話をかけてkaoriさん(『スクリーン』代表)にカラーをしてもらったんです。そのとき、翼さん(『スクリーン』代表の神谷翼さん)がシャンプーをしてくれたのが決め手でした。水の音まで操るかのごとく素晴らしいシャンプーで、帰り際にkaoriさんに「面接を受けさせてください」と言ったんです。そのときは「今は難しいかも」と言われ、せっかく運命的な出会いだったのにと思い、泣きながら電車で大阪まで帰ったのですが、後日、面接の機会をいただき入社することになりました。『シスター バイ スクリーン』という2店舗目のオープン日に入社し、その店舗に配属されることになったんです。
店長になったときの心境は?
不安しかなかったけれど、プレッシャーに打ち勝った!
入社してすぐ、チラシ配りが始まり、足を止めてくれた人に私はひたすら『スクリーン』に入った理由を話しました。それをきっかけに来店してくださった方も多く、今でも通ってくださっている方もいます。3年3カ月でデビューし、2020年、『スクリーン ギンザ メゾン』オープニングと同時に店長となり、上京。まさにゼロからのスタートで、慣れないパソコン作業とも向き合い、ヘアカタ撮影も行い、さまざまな準備をしても不安しかないという感じでしたね。そんなとき、多くの美容師が応援してくれて、お客さまを紹介してくれたり、いろいろ助けていただいたりして、なんとか無事にスタートできました。当時はお店と家を往復する毎日で、夜、ひとりで泣きながら反省したことも。プレッシャーとも闘い、次第に鋼のメンタルになりました(笑)。
作品撮りはいつから始めた?
女性美容師が風穴を空けるべく、JHAにチャレンジ
神戸で1週間、東京で3週間、という働き方だったので、心の支えは神戸のお客さまでした。それでも東京のスタッフ全員でひとりのお客さまを大切にする気持ちを持ち続け、少しずつファンを増やしていきました。そんな中、2021年頃から作品撮りに力を入れ始め、2022年にウエラトレンドビジョンでグランプリを受賞したことで多くの方から注目していただけるように。男性美容師の活躍が目立つ中、女性美容師の底力を見せたいと思い、次はJHAを目指そうと思ったんです。初のノミネートで2025年JHA大賞部門準グランプリを受賞することができ、本当にうれしいです。まだまだ美容師としての厚みが足りないと思いますし、グランプリは簡単に獲ってはいけないものだと思いますが、今後はもっとセンスを磨き、もっとうまくなれるよう頑張りたいです。
今後の目標はなんですか?
チーム一丸となってJHA大賞部門グランプリを獲りたい
センスをどう磨いていますか? とよく聞かれるのですが、実は自信がないんです。自信があるのは努力のセンス。これはめちゃくちゃあります! 努力でセンスはつかめるものだと思うんです。片っ端からいろいろな物を見て、足を運び、人の意見を聞く。ゼロを1にするのは難しいですが、1を120にする力はきっとある、そう思ってセンスを磨いています。これからもセンスを磨き続け、ゆくゆくはJHA大賞部門グランプリ=日本一を獲りたいです。そのためにはスタッフみんなが一丸となり、チームで頂点を目指し、誰一人として日本一に値しないスタッフがいない状態をつくらなければなりません。自分自身が日本一頑張らなければいけないのはもちろんですが、スタッフ教育も日本一頑張って最高のチームをつくり、みんなで目指していけたらと思っています。
Work -橋本さんのヘア作品-

テーマは“echo”。魂のゆらぎや、震えるほどの熱い思いがこだまして伝染するさまを表現。衣装とリンクするヘアカラーと、攻めているように見えてフィットするカットで、新しいベリーショートをつくりました。
こだわりのWORK ITEM

スマホにメモではなく、紙に書きます!
撮影やセミナーの依頼を受けたときに、頭の中を整理し、研究するためのノート。1年で3〜4冊は使うのだそう。話すように書き、ときにはデッサンを描くことも。

シザーはドライにもウェットにも使えます
開発に5年、こだわり抜いた『スクリーン』オリジナルのシザー&2種類のセニングシザー。「代表の神谷が想いを込めてつくった物なので、想いを込めて使っています」

チームで日本一を目指します!
『スクリーン』はチームでやっている意識がとても強い。「店長になってからは、自分の弱いところを初めて見せたことも。みんなのことが大好きです!」
photo:Yamazaki Mitsuru text:Morinaga Yasue