PREPPY

3 Aug 2026
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3 Aug 2026
hair

「THE DETAIL BATTLE その1㎜に、理由がある」BATTLE 03

同じテーマに挑み、同じ条件で作品をつくる。
しかし、生まれるデザインは決して同じではない。
毛束の重なり、質感のつくり方、アウトラインのわずかな差。
それは、スタイリストたちがこだわり抜く"1㎜"の世界。
本企画では、そんな完成度を左右するミクロの差をマクロで解剖。
シーンを牽引する4組8名が"1㎜"に込めた想いを技術と対談でぶつけ合う。

アシンメトリーが映える
ライオンマッシュ

左右非対称のシルエットと、ライオンのたてがみを思わせる大胆なボリューム感が魅力のスタイル。整った顔立ちだからこそ、あえてくずして外しを加えることで、ただのイケメンで終わらせない新鮮な表情を見せた。強さと抜け感を絶妙なバランスで共存させたデザインに。
Nakajima kazuya / BIRD

260702 0798s
260702 0953s e1785501034275
260702 0959s

1mm DETAIL
ビッグシルエットのなかに、さりげなく主張する毛束を積み重ね、
アウトラインに繊細なニュアンスをプラス。
違和感を絶妙なバランスで共存させることが、自分らしいデザインにつながる。

How To
CUT/マッシュベース。クセがあるので、表面にしっかりレイヤーを入れて全体をつなぎ、動きをつくる。毛が細いので、セニングを使わず、チョップカットで毛量調整。
STYLING/全体にバームをなじませる。毛が細いのでつけすぎると束感が出過ぎるので注意。表面に薄くグリースを重ねてニュアンスと毛先の束感をつくる。

90'sムードをまとう
ラフなボリュームボブ

90年代カルチャーを思わせる、ラフで無造作なボリュームボブ。寝起きのようなオイリーな質感と、ほつれた毛束の動きで自然体の色気を表現。均一に動かさず、ねじりによるランダムな質感を重ねることで、上裸にアクセでスケートを楽しむ少年のような夏らしいシルエットに。
Ryutaro / Nu:v

260702 0404s
260702 0652s e1785501438996
260702 0666s

1mm DETAIL
寝グセを直さず、そのままワックスをつけすぎてゴワついたような、
ドライでツイスト感のある毛束を再現。
絶妙なねじり加減の積み重ねが、狙った質感とシルエットをつくり出す。

How To
CUT/ボブベース。耳下とこめかみを3セクションに分け、アンダーは横スライス、ミドルは縦スライスでレザーカット。トップはレイヤー。毛先はレザーの質感を生かして毛量を微調整。
STYLING/寝グセを生かし、根元をソフトにねじって時間をおく。ドライスプレー後、19㎜のアイロンを入れ、ドライワックスで毛先を散らす。

BIRD 中島和弥
「違和感を楽しむそれが自分らしいデザイン」
Nu:v Ryutaro
「引き算を重ねた先に本当のデザインが生まれる」

おしゃれなスタイルは好きを掘り続けた先にある

Ryutaro:
メンズスタイルも細分化されてきていますが、自分が目指すスタイルにいちばん近いと思うのが、中島さんがつくるスタイルなんです。本当に感覚が近いなと思っていて。以前からずっと気になっていたので、改めて一緒に作品をつくってみたいと思いました。
中島和弥(以下、中島):
「動き」というテーマはおもしろいと思いました。僕も動かすスタイルが多いので。Ryutaroのスタイルは洗練されていて、おしゃれなんですよね。王道のナチュラルスタイルのなかにちゃんとセンスがあるから、幅広い人に支持されるんだと思っています。でもそれって簡単そうで、実は難しくて。あの絶妙なバランスは簡単にマネできるものじゃないと思っています。
Ryutaro:
僕は中島さんの感覚のほうが特別だと思っています。ヘアだけじゃなく、ファッションとか物選びのセンスがずば抜けている。僕はそこからすごく影響を受けています。
中島:
そういえば雑誌を切り抜いてコラージュしてましたよね。昔から勉強熱心。
Ryutaro:好きなスタイルは理由まで言語化したくなるんです。「なぜ好きなのか」を考え続けてきました。だから雑誌もスナップもたくさん見たし、中島さんの作品も自分なりに分析していました。いいものをたくさん知ることが、自分のスタイルにつながると思っています。

引き算と違和感がそれぞれのデザインになる

Ryutaro:僕は何でもやりすぎるのが好きじゃなくて。動きをつくっていても、盛りすぎる手前で止めたくなる。ヘアだけじゃなく、ファッションまで含めて全体で魅力的に見えるバランスを考えています。
中島:
僕は違和感をどれくらい入れるかを考えるのがいちばん楽しい。言葉にするのは難しいから感覚的な部分になるけど。スパイスを効かせながら、ちゃんとデザインとして成立するギリギリのラインを探しています。
Ryutaro:
そこが本当にすごい。僕からすると「やりすぎ」なんだけど、それがちゃんといい意味でかっこよく仕上がってるから。質感のつくり方も大胆なのにまとまっていて。特にデザインポイントがわかりやすいのが中島さんの特徴であり、魅力だなって思っています。
中島:
Ryutaroのほうが僕のこと理解してる(笑)。
Ryutaro:
韓国で一緒にセミナーをやって、その理由が少しわかりました。実際につくるところを見ると、質感の積み重ね方やシルエットの組み立て方まで理解できて、作品を見る解像度も上がりました。
中島:
僕はRyutaroのシルエットづくりが好きです。今回のスタイルも、耳上のハネや左右のバランスとか、一つひとつに理由があるでしょ?
Ryutaro:
全部意図的につくっています。例えば、左右同じ位置にはハネをつくらないし、耳まわりは締めながら全体は大きく見せる。そういう小さな積み重ねが、最終的な雰囲気を決めると思っています。でも僕はデザインポイントは潜ませるタイプなんです。自分的には「ここがキモだな」っていうポイントはつくるけど、隠れちゃうぐらいがちょうどいいと思っているからです。

王道のその先へ新しいスタンダードをつくる

中島:
最近は尖ったスタイルをつくりたいと思うようになりました。だからより明確なデザインポイントがあるのかも。ずっとクリーンなスタイルをつくってきたから、今までよりクリエイション寄りというか、もっと遊びたい、はじけたい、おもしろいものをつくりたい。今までつくってきたものは、自分っぽいって感じるので、動かし方とかテクスチャとかを変えてやっていきたい。今年はそんな変わる年にしたい。
Ryutaro:
僕は引き算が進んできました。でも目指していることは同じで、自分が本当に好きなスタイルをもっと広く届けたい。王道のナチュラルスタイルだけじゃなく、少しエッジのあるデザインも選択肢として当たり前になってほしい。
中島:
僕たちみたいなスタイルって、好きな人にはすごく刺さるけど、メインストリームではない感じですよね。
Ryutaro:僕は根っこの部分にキャッチーな感覚ももっているからこそ、王道ナチュラル派と少しエッジのあるスタイル派の橋渡し役になりたいんです。ハイセンスなデザインを、感度の高い人だけのものではなく、もっと多くの美容師や美容学生に届けたい。そのためにはサロンワークだけじゃなく、雑誌やセミナーなど、いろいろな場所で発信していくことも大事だと思っています。
中島:
一人で頑張るより、同じ感覚をもつ美容師が集まって発信したほうが、きっと流れは大きくなる。そうやって少しずつ、このスタイルを広げていきたいですね。

model: Kawano Ota photo: Matsuyama Yusuke(chiyoda-studio) text: Men's PREPPY

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STYLIST

BIRD 中島和弥

なかじまかずや。『バード』スタイリスト。山野美容専門学校卒業。少しクセがあるスタイルが得意。最近は軟式テニスに夢中。

STYLIST

Nu:v Ryutaro

りゅうたろう。『ヌーヴ』代表。日本美容専門学校卒業。メンズスタイル全般が得意。株式投資にハマっている。

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