PREPPY2025年12月号連動
クリエイティブなブランドサロンとして名高い『ヌル』オリジナルのテクニック“スラッシュカラー”。「いつもと違う」が手軽に叶う、カラー技術です。今回は、スラッシュカラーとカットを連動させ、よりカットを魅力的に見せる方法を学びます。
レイヤーの動きと相性のいい“スラッシュカラー”

「Vol.1のようにレイヤーが入っていないボブにスラッシュカラーを入れれば、髪に動きがついているように見えますし、レイヤースタイルに入れれば、レイヤーの髪の動きをより際立たせてくれます。レイヤーカットはスラッシュカラーと相性がいいスタイル。階段状のレイヤーのカットラインに、スラッシュカラーを同じく階段状で入れることで、よりレイヤーの動きを目立たせてくれるからです。スラッシュカラーの効果を考え、デザイン提案すれば、お客さまに『いつもと違う』と感じてもらえますよ」
[COLOR Point.1]3色使用。塗り分ける境はぼかさなくてOK

使用したのは、塩基性のルベル「エドルヨヨ」、ポップミント/アクアブルー/ホワイトラベンダー。塗り分ける境はぼかすなどの処理は不要。ただ、塗り残しには注意してください。
[COLOR Point.2]ベースの状態に合わせて、カラー配分を調整

左右対称に入れるのが基本だが、顔まわりに暗色が残っているので、この色を生かしてカラー配置を。暗色カラーは重く見えるので、多めにカラーを配置するといいですね。
[COLOR Point.3]階段状にパネルを取るとレイヤーが映える

パネルを取る位置を階段状にずらすと、レイヤーのラインがきれいに見えます。バックは、広範囲にカラーが見えるように横スライスで半円状に分け取り、骨格になじむようにして。
[CUT Point.1]カットとカラーのタイミングは?
| シルエットチェンジするとき | シルエットが変わらないとき |
| →カット後にカラー | →カット前にカラー |
[CUT Point.2]レイヤーの整え方でカラーの見え方が変わる

スラッシュカラーと相性のいいレイヤーカット。レイヤー部分にスラッシュカラーが入っていると、ストレートでもカールでもかわいい仕上がりに。レイヤーは階段状になっているのが理想。
[CUT Point.3]ハチまわりの毛量調整はカラーを気にせずに

ボリュームが出やすいハチまわりもしっかりセニングを入れて毛量調整を。ただし、カット率20%以上のセニングを使用すると髪を落としすぎてしまうので注意して。
動画でチェック①!
BEFOR

ベースは19レベルのブロンド。前髪とサイド片側に暗色のフェイスフレーミングが入っている状態。カットはウルフベース。髪を伸ばしているため、レングスを変えずに仕上げます。
AFTER

カットは毛先を整えたのみ。レイヤーのカットラインに連動して、スラッシュカラーも階段状に入っているのがわかります。
COLOR DESIGN

顔回りに二等辺三角形で左右各3パネル、バックは半円の台形で2パネル、ネープに広めの二等辺三角形を1パネル、全9カ所にスラッシュカラーを入れます。
COLOR PROCESS

(左から)
①スラッシュカラーのおさらい。フロントや顔まわりは、二等辺三角形でパネルを取る。
②二等辺三角形の頂点から少しだけ髪を外すと台形のような形に。この外した部分がカラー部にのり、カバーリングとなることで自然なぼかしが可能に。
③パネルを反対側に倒し、パネルの裏側からカラーを塗布。ポップミント×ホワイトラベンダー、前髪を含む顔まわりは2色展開でデザインを。

(左から)
④前髪も二等辺三角形でパネルを取り、頂点を少しだけ外す。
⑤パネルごとに色の配置を変える。隣同士に並ぶパネルの色が被らないように、まずはホワイトラベンダーを。
⑥次にポップミントを塗布。以降、展開図を参照にスラッシュカラーを入れていく。

(右サイドのカラー配置)
隣り合うパネルのカラーが同じにならないように配置する。

(左サイドのカラー配置)
レイヤー部の③とバックの④の塗り終わりの色は揃える。高さが同じため、揃えることで色の印象が強くなる。
COLOR FINISHED

カラー塗布後、10分放置して、お流し。ドライヤーで乾かしただけの状態。
CUT PROCESS

(左から)
①顔まわりのレイヤーは整えるだけ。イヤー・トゥ・イヤーで分け取り、前方に引き出し、毛先をカット。
②切り上がりの状態。レイヤーのカットラインが整った。
③次のセクションを分け取り、②をガイドに毛先を整える。

(左から)
④バックの髪をオンベースで引き出し、毛先を整える。
⑤カットラインが階段状にカットできていることを確認する。
⑥チェックカットは前方に引き出して行う。

(左から)
⑦毛量調整を行う。スラッシュカラーが入っているかいないかは考えず、いつも通りカットして。
⑧毛量調整を終えた状態。セニングは、カット率20%以下を使用すること。それ以上のセニングを使用すると、髪を落とし過ぎ、穴が開いてしまうこともあるので注意して。
動画でチェック②!
FINISH

人気のレイヤーは、スラッシュカラーととても相性のいいスタイル。難しいテクニック不要で、手軽にデザインカラーを楽しめます。
今回レクチャーして下さったのは……
「Null」AYATOさん

あやと。『ヌル』取締役/サロンマネージャー。旭美容専門学校卒業。英国仕込みのカット技術と理論化されたデザインカラーを組み合わせたヘアデザインを得意とする。Instagram @ayato.null