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14 Apr 2026
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14 Apr 2026
lifestyle

「美を生きる 。」着物の魅力を世界へつなぐ新時代のアイコン・DJ兼シンガー、着物スタイリスト/マドモアゼル・ユリア

表現の世界で生きるプロフェッショナル一人ひとりに宿るの哲学に迫る。

着物の奥深さに魅せられ、
“美”の神髄に触れる

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Profile
名前 マドモアゼル・ユリア 
肩書 DJ兼シンガー、着物スタイリスト
Instagram @mademoiselle_yulia

History
東京都で誕生。中学生のときにバンド活動開始(ボーカル&ギター担当)。
高校卒業後、日本美容専門学校に入学。在学中、コンテスト受賞歴多数。
エレクトロDJイベント“Neon Spread”を立ち上げる。
2008年 DJデビュー。
2011年 DJ兼歌手デビュー。
2020年 ロンドンV&A博物館の着物展ビジュアルスタイリングを手がける。
2022年 YouTubeチャンネル「ゆりあの部屋」スタート。
2024年 弓岡勝美氏との共著『おとなの半幅帯結び コーディネートブック』(世界文化社刊)出版。
2025年 初の自著『きもののとりこ』(世界文化社刊)出版。

を形にする、5つのヒント
Q1 あなたにとってのとは?

美の本質は調和。そこに異質な要素が加わることで、その人らしさが立ち上がる。

Q2 仕事で大切にしていることは?
調和。

Q3 創造力の源は?
たくさんのものを見て、触れることで自然と湧き上がるもの。

Q4 センスを鍛える方法は?
センスには知性が必要。興味のあるモノ・コトを深掘りする(ディグる)。

Q5 ハマっているモノ・コトは?
YouTubeで歴史チャンネルを見ること。

不変の様式美に、その日一日の
物語を紡ぎ出す着物の世界
「調和と違和感」が生み出す“美”

DJ、歌手、着物スタイリスト、美容師免許を保有するなど多面的な顔をもつマドモアゼル・ユリアさん。父は、美容業界を牽引する『ピーク・ア・ブー』のアートディレクター、伊東秀彦さん、母は着物スタイリストで着付師という、審美眼の高い両親のもとで育ち、幼少期から美術館や映画、最先端ファッションに触れて育った。中学生のときにはバンドを組み、ボーカルを担当。次第に、その興味対象はDJへ。そんな彼女が、長じるにつれ、着物の魅力にのめり込んでいく。着物を通して見出した“美”について話をうかがった。

調和のなかに、少しだけ違和感を

「私が考える“美”は『調和』です。色の組み合わせはもちろん、環境、人との関係性など、さまざまな要素が混ざり合ったとき、唯一無二の世界観が生まれます。でも、それだけだとどこか退屈。そこに『おや?』と思わせる異質な要素をひとつ忍ばせることで、個性が鮮明に立ち上がります。例えば着物なら、全体のバランスを整えつつ、帯留めや色合わせに少し意外性を加える。その調和のなかにある違和感こそが、私の思う“美”の形です」

着物でつくるその日一日だけの物語

「私は着物をスタイリングするとき、きれいな組み合わせではなく、その日一日だけの物語を紡ぎたいと思っています。例えば今日、5月号の撮影に合わせて選んだテーマは“旅”。東海道五十三次をモチーフにした着物に格子の帯、初夏の風物詩である渡り鳥、ツバメの帯留め、涼やかな水色の襦袢を合わせて、“初夏の旅”という物語を構成しました。洋服と違い、着物はどれも同じシルエット。だからこそ、色や柄などの要素を組み合わせることで無限に物語を紡ぎだすことができるんです。そこが着物のおもしろいところですね」

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着物は、一生ディグり続けられるテーマ

「昔から、ディグる(深堀り)ことが好きなんです。興味をもったことはとことんディグる。着物は、歴史はもちろん、職人の技術、色合わせ、小間物、ヘアメイクなど奥深い世界ですし、新しい音や音楽の背景をディグるDJも同じ。着物もDJもその奥深さが私にとっての魅力なんですよ。そして、あらゆる要素が組み合わさり、生まれる美しさ。調和のなかにある違和感。着物は一生ディグり続けられるテーマだと思っています。
日本の文化、伝統技術を未来につなげるためにも、まずは、『着物ってかっこいい』と思ってもらうこと。そのきっかけをつくることが、私の役目だと思っています。地道ではありますが、そういう活動を続けていけば、着物に興味をもってくださる方も増えていくと思っています。実際、私の着付け教室も回を重ねるたびに参加者が増えていますからね」
かつて、ストリートスナップ誌でおしゃれ番長の異名をとったユリアさんが、自ら着物を着て、世界観を表現し、伝えていく。調和のなかにさりげない違和感を忍ばせる彼女の美意識は、ヘアやファッションなど美容の世界にも通じるのでは。古きを知り、新しきを生む。自分だけの“美”をディグり続ける姿勢が、新しいスタイルを生み出していくのだろう。

My Background
父は美容業界のトップランナー

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photo:Nishiyama Wataru(©Sekaibunka Holdings)

父は、『ピーク・ア・ブー』アートディレクターを務める伊東秀彦さん。母も着物スタイリスト、母方の祖母は美容師。幼い頃から美しいものに触れる環境だった。

My Work
着付け教室を主宰

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photo:Moriyama Masatomo

スパニッシュ様式にアールデコや日本座敷を備えた洋館、kudan hause(東京)で着付け教室を開催。着物を着て歩きたくなる環境で着物について学ぶことができる。

My Book
ユリアさんの“美”が綴られた書籍

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昨年12月、着物の世界とユリアさんの“美”が綴られた初の単著による書籍を発刊。『きもののとりこ』マドモアゼル・ユリア著/世界文化社刊

photo:Okumura Koki text:PREPPY

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