表現の世界で生きるプロフェッショナル一人ひとりに宿る“美”の哲学に迫る。
“人のために在る”
生きる哲学が美しさを体現し、
表現を深くする

名前 mika ミカ
肩書 プロのクラシック歌手、ときどきモデル
Instagram @opus__m
1996年 東京都日野市で誕生。
2015年 国立音楽大学入学。
2017年 美容師に声を掛けられ、モデルに。
2020年 大学卒業後は、一般企業に勤めながら、プロのクラシック歌手、音楽療法士として活動。
2024年 モデル事務所(@felismodels)に所属。
2025年 現在は、プロのクラシック歌手、ときどきモデルとして引く手あまたな存在に。
“美”を形にする、5つのヒント
Q1 あなたにとっての“美”とは?
ファーストインプレッションで「美しい」と感じるもの。
Q2 仕事で大切にしていることは?
歌もモデルとしての表現も“感性”が必要。歌なら技術、モデル業なら体でコントロールし、表現の加減を見極める。
Q3 創造力の源は?
身を任せること。自分でも想像していない新たな一面が引き出されるから。
Q4 センスを鍛える方法は?
歌なら一度歌ってみる。選り好みせず、あらゆるものに触れることで、そのもの自体をよく知ることができるから。
Q5 ハマっているモノ・コトは?
ポケモンGO。「地方出張が多いので、レアキャラをたくさん捕まえています(笑)」
声楽家として、モデルとして、
“人のために在る”こと
生きる哲学が生み出す“美”

今回は、クリエイティブ美容師からの指名が絶えないヘアモデル、mikaさんにフォーカスしてみたい。多彩な表情を見せてくれる彼女の本業は、プロのクラシック歌手。そんな彼女の〝美〟の本質を探る。
子どもの頃から歌に親しみ、歌を愛す
「母が声楽を学んでいたこともあり、小さな頃からいつも音楽が側にある環境でした。私も歌うことが大好きでしたが、まわりの友だちが元気に地声で歌うなか、私はオペラ歌手のように裏声で歌うため冷やかされることも多く、自分の声にコンプレックスをもっていたんですよ。そんななか、中学の音楽の先生から『いい声だ』と認められたことをきっかけに、本格的に歌の道に進むことに。大学卒業後は、一般企業に勤めながら音楽活動を行っています。音楽で身を立てたいと思っていますが、自分が表舞台に立ちたいわけではありません。むしろ、歌い手のサポートや音楽療法という分野に深く関わっていきたいんです。それは、作品づくりに情熱を注ぐ美容師さんに協力するモデルという仕事と同じ感覚なのかもしれません」
作品の素材としてノイズにならないように
「大学で声楽を学んでいたとき、美容師さんに声を掛けられ、モデルに。初めての撮影では、どこを見ていいのかもわからず、すごく緊張したのを覚えています。もともと人見知りなので、当初は現場の雰囲気に萎縮していましたが、今では、より良い作品にするために、自分から提案できるようになりました。私も音楽劇で舞台に立つ経験があるので思うのですが、モデルとしての私は、作品を構成する画材や素材のひとつ。美容師さんは、撮影当日にすべてをかけて挑まれますから、私が作品のノイズにならないよう最大限の敬意をもって向き合います。だから、美容師さんから『mikaちゃんは、イメージにはめてくれるからやりやすい』と言ってもらえたときは、とてもうれしかったですね」

美しいと思う心は、“誰かのために在ること”
「私にとっての美“”は、素直に第一印象で美しいと感じるもの。でも、歌や撮影の現場では、自分が何を美しいと思うかよりも、“誰かのために在る”ことを大切にします。声楽家として声で人の心に寄り添い、音楽療法士として子どもたちに音楽の楽しさを伝えたり、モデルとして、美容師さんの情熱をカタチにするため、素材としてその手助けをしたり。人の人生にそっと寄り添えるような存在でありたいですね。声楽家とモデル、異なるふたつの活動ですが、どちらも私に強い刺激をもたらしてくれる大切な仕事です。今の私は、『クラシック歌手、ときどきモデル』。モデル業も依頼がなくなるまでは続けていきたいと思っています」
クラシック歌手とモデルというふたつの顔をもつ彼女が貫くのは、人のために在る“”という揺るぎない哲学。自分自身の美“に忠実であると同時に、人が求める”美“に身を委ねるしなやかさ。mikaさんという存在そのものが、”美“という言葉を静かに体現しているのかもしれない。”

My Memory
オペラの舞台に立つmikaさん(写真中央)

登場人物のひとりとしてオペラ作品をつくりあげる経験が、モデル業でも役立っている。美容師が表現を行ううえで120%の力が出せるように、モデルとして支えている。
My Work
音楽療法士として(写真右)

子どもたちに音楽の素晴らしさを伝えたり、障がいのある方々に手話や口の動きなど身体表現を用いて音楽を届ける「音楽療法士」としての仕事にも情熱を注いでいる。
My Work
参加した作品がコンテストで受賞

styling:Murayoshi yuki
JHA2022新人賞ノミネート、KHA2022ライジングスター最優秀賞を受賞した『uvrir』長田倫子さんの作品にも参加。繊細で主張の強いヘアにマッチした。
photo:Sakuma Takeshi text:PREPPY