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17 May 2026
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17 May 2026
lifestyle

「女性の仕事師」 堀 智美さんの美容師人生

福井で高い支持を集める『オランオラン』代表の堀さんは「きれいこそ幸せがあふれる」をモットーに、開業以来23年間、走り続けている。そんな堀さんのこれまでの道のりから今後の目標までお聞きしました。

美容師になろうと思ったきっかけは?

花嫁モデルのアルバイトで「人を美しくする仕事」に感動

短大に通っていた頃、将来は自立できる女性になりたい、自分らしくいられる仕事がしたいと考えていました。そんな中、花嫁モデルのアルバイトを始めたところ、プロの手によって花嫁がどんどん美しく変わっていく姿を間近で見て「人を美しくする仕事の素晴らしさ」を強く感じたんです。それまで美容師という仕事はまったく頭に浮かんでいませんでしたが、大学卒業後は地元の美容室に入社し、働きながら通信で美容免許を取得。実践と学びの両立を通じて、美容の奥深さとやりがいにますます惹かれていきました。先輩たちが軽やかにお客さまを仕上げていく様子を見ながら「自分も早くあんな風になりたい」と焦りと悔しさが募る日々。それでも決してあきらめず、ポケットに紙とペンを忍ばせて必死にメモを取りながら、毎日、夜遅くまでレッスンに励みました。

デビューから独立までを教えてください

5年でデビュー。何もわからぬまま29歳でお店を構える

美容師こそが私の天職と思って飛び込んだものの、1回だけ辞めたいと思ったことがあります。でも美容学校の学費を貸してくれた祖母から「辞めるのなら返しなさい」と言われてしまい……。もともと両親からは美容師になることを反対されていたため、ここで辞めたら「それ見たことか!」と言われるに違いない、それは嫌だと思いましたね。入社から5年でデビューを果たしたときは、すごくうれしかったです。20代は友人にも会わず、遊びにも行かず、ひたすら美容と向き合い続けた毎日。営業後にクラブに行って自作の名刺を配るなど、自分を売り込むことに必死でした。いつか自分のお店を持ちたいと思っていましたが、29歳のときに念願叶って独立。経営計画も資金繰りも何もわからぬままのスタートでしたが、何も知らなかったからこそ挑戦できたのだと思います。

美容師としてのターニングポイントは?

30歳のときに見た山根英治さんのライブに衝撃を受けた

お店の名前は『オランオラン』。インドネシア語で「人々」という意味です。人と人が美容を通じてつながり、笑顔が広がる場所にしたいという思いを込めました。お客さまには「Thank you Letter」を手書きして送ることを続け、それがご紹介につながったと思います。今はLINEでのご連絡が軸になりつつありますが、人とのつながりを大切にする気持ちは変わりません。独立から1年後、30歳のときに山根英治さんのライブを見に行ったのですが、芸術のようにカットをする山根さんの姿、完成した美しいボブを見たとき、なぜか涙があふれたんです。これを機に山根さんが提唱するニューヨークドライカットの学びの旅が始まりました。山根さんがいらっしゃるNYに行ったり、帰国された際に東京や大阪などで行う勉強会に参加したり。この出会いが転機となりました。

美容業以外に何かやっていますか?

エステを導入&オリジナルプロダクトを販売

2010年、エステを導入しようと考え、東京に習いに行きました。思い切ってサロンを増築してエステルームをつくり、最初は脱毛から始めたのですが、今ではメニューも充実。お客さまからは「『オランオラン』に来ればトータルできれいになれる」と言っていただいています。とはいえコロナ禍の際はエステのお客さまが減ったため、自宅で自分と向き合う時間を大切にしてほしいという思いを込めて『JIBUN SALON』というコスメプロダクトを開発。大学の先生と一緒にテストを繰り返し、納得のいく物ができました。コロナ禍は大変でしたが、いろいろ考えたり新しい行動を起こしたりする期間でもあったと思います。『JIBUN SALON』は施術の際に使用するのはもちろん、ホームケアとしてオンラインでも購入可能。お客さまが喜んでくれたことがうれしかったです。

今後の目標を教えてください

ハサミを持って世界を旅してみたい!

いつも心がけているのは「目の前のお客さまに素敵になっていただくこと」。これを毎日掲げています。このお客さまは次は来ないかもしれない、そんな緊張感を持っていつも仕事をしています。『オランオラン』は髪を整えるだけでなく、心が整う、会話が生まれる特別な空間でありたいです。今後は『JIBUN SALON』のラインナップを増やしたり、体にやさしい食べ物やサプリメントを開発したり。「地球と共に生きる美容」をテーマに環境にもやさしい商品を生み出したいです。また、60歳になったらお店はスタッフに任せ、ハサミを持って世界を旅してみたいです! さまざまな国の人と出会い、その土地の文化に触れながらヘアカットをするのが理想の生き方。60代、70代になっても手にハサミを持ち、心を込めて「きれいをつくる美容師」であり続けたいです。

Work -堀さんのヘア作品-

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ダンスをしているお客さまに提案したヘア。「ハイライト&ローライトで陰影を付け、さらにカットで立体感を出して動きのあるショートにしました。スタイリングも立体的に整えています」

こだわりのWORK ITEM

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ジェーン・バーキンに魅せられて
フランス好きという堀さん。「ジェーン・バーキンの大ファンで、彼女の本やパリにまつわる本を読むのが大好き。フランスのエスプリを感じる物に囲まれると癒されます」

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3年前に書いてもらいました
尊敬する山根英治さんの直筆メッセージ「やれることはもっとある。がんばろう」と書かれたブラシと、ニューヨークドライカット用シザー。堀さんの相棒&宝物だ。

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自分と向き合う時間を彩るオリジナルコスメ
自然由来の成分を配合し、シンプルでかわいらしいイラストが目を引くオリジナルコスメ『JIBUN SALON』。東京・ホテルニューオータニの特別宿泊プランにも採用されている。

JIBUN SALON

ホテルニューオータニ JIBUN SALONサービス

text:Morinaga Yasue

stylist

ORANG ORANG 堀 智美

ほりともみ。『オランオラン』代表。福井美容専門学校通信科卒業。短大卒業後、福井のサロンに入社し、通信で美容免許を取得。29歳で『オランオラン』を設立し、2010年にはエステにも本格参入。2019年、オリジナルコスメ『JIBUN SALON』を立ち上げ、幅広い分野で活躍中。

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