注目の若手スタイリストが作る最新トレンドスタイル。
過去2回の特集に登場してくれたスタイリストは今や日本を代表するスタイリストへと成長している。
今回登場の4人ももちろん未来のスターたち。そのスタイルに注目だ。
TAKAHASHI TARO/QUQU


カッコいいのセオリーを破壊し、感情を形にする新たなステージへ
見るたびに進化している。クリシェだがまさにこんな表現がピッタリくるのが、『QUQU』高橋太朗のこの1年を見てきての素直な感想だ。このままどこまでデザインのエッジが研ぎ澄まされていくのか。今最も目の離せないスタイリストのひとりであることは疑いようがない。
「『QUQU』はエッジの効いた表現が集まるサロンですが、その中で自分は王道だと考えています 。浦(さやか・『QUQU』代表)さんや楽人(『QUQU』クリエイティブディレクター)さんたちの表現は、彼らの天才的な感性をさらに考えに考え抜いて2ひねりも3ひねりもしてクオリティが究極に高まったようなデザイン。それに対して、自分はどちらかというと物事をストレートに捉えて形にするタイプです。比較するとわかりやすい表現とも言えるんですけど、むしろそれが自分の武器かなと思っています。
以前は自分のこだわりを優先するあまり、独りよがりになることもありました。しかし、昨年の後半くらいから、改めて『モデルへの似合わせ』を最優先に意識を変えたところ、結果がついてくるようになりました。モデルの個性を引き出すための引き出しを持つ重要性、選択肢をたくさん用意することを身をもって学びました。
今、気になっているテーマはフォーマルでエッジの効いたスタイルです。ルックブックなどから着想を得た、カチッとした大人びた雰囲気の中にどこか尖った部分があるデザインです。常に進化し続ける姿勢を忘れず、新しいメンズ像を提案していきます」
TAKAHASHI TARO(QUQU) History
1997年:岩手県盛岡市に生まれる。
人見知りな少年時代。
岩手県盛岡市で生まれる。
幼少期は人見知りで、大勢の前は苦手な性格だった。
小学校時代には、サッカーや剣道など、体を動かす習い事をいくつか経験している。
2010年:テニスに打ち込んだ中学・高校時代。美容師への憧れが芽吹く。
中学・高校はテニスに打ち込む。
テニスを選んだ理由は、チーム競技より個人競技のほうが好きだったから。
また、この時期に初めて出会った美容師の、大人の男性としての佇まいやファッションに強く惹かれ、「かっこいい大人」への憧れが芽生える。この原体験が、のちに美容師を志す確固たる理由となった。
2016年:地元の専門学校へ。そして遊びも仕事も全力の4年間。
盛岡ヘアメイク専門学校へ進学。
学生時代は友人との交流やバイトに明け暮れ、卒業後は地元のサロンに就職。
アシスタント時代に参加した地元のコンテストで、心の奥底にある「自分自身の表現を突き詰めたい」という欲求に気がつき、東京への挑戦を決意することになった。
2021年:決意の上京。LECOへの入社と「垢抜け」への苦闘。
LECOに入社。
盛岡時代にスタイリストデビューは経験していたが、再びアシスタントからのスタート。
上京当初は地方での経験ゆえの感性の未成熟さを指摘され、人一倍の時間を使うことを決意、自身のセンスや技術を再構築する日々を過ごす。とにかく練習した記憶以外がないと語るとおり、膨大な量のウィッグを切り続けた。
2025年〜現在:QUQUへの異動とコンテストでの躍進。
QUQUへ異動。
代表・浦さやか氏らの指導のもと、デザイン力に磨きをかける日々。2025年以降は数々のコンテストで入賞、優勝を経験する。
現在はサロン内の「王道」を自負し、顧客の個性に寄り添うデザインを提案。後輩からも慕われる存在として、さらなる高みを目指している。





スクエアシルエットで遊ぶ。新時代のフォーマルスタイル。
2スタイルで一つの表現を構成。一人は角刈りマレットをベースに、えり足を長く残して長方形のイメージを強調。もう一人はスクエアなシルエットのスパイキーショートだ。共通項は「四角いフォルム」。フォーマル/遊びという相反する要素をプラスした、強さと洗練が同居するスタイルだ。




How To
CUT/トップ、サイドを角を残したレイヤーで切って、360度どこから見てもスクエアになるのを目指す。
STYLING/グリース+ジェルで逆立てた毛束をキープ。えり足はオイルで適度なまとまりに仕上げる。


How To
CUT/長さを残したスパイキーショート。フロントセンターは長めに切り、サイドは角をあえて残す。レザーでカットして質感を作る。
STYLING/ドライヤーで上方向に起こしてからマットワックスで仕上げる。
高橋太朗 Three Elements
地に足をつける
「結果が出ても、決して調子に乗らないように意識しています。常に客観的な視点を持ち、自分の未熟さと向き合い続けること。今の自分にできることを一つずつ積み重ねていくことが、進歩につながると信じています」
泥臭さ
「納得のいくデザインにたどり着くまでの過程がスマートである必要はないと思っています。モデルを自分の足で探し、納得がいくまでウィッグを切る。そんな一見効率の悪いプロセスからしか得られない学びがあります」
継続性
「ものごとを続けられることって才能だと思うんです。器用さやセンスも大切ですが、同じ情熱でやり抜く力こそが最後に自分を助けてくれる。壁にぶつかっても、歩みを止めずに継続できる人って強いなと思いますね」

Message from Mentor

貪欲な探究心で技術を磨き、次代を担う表現者へと進化する。
太朗ほど、ていねいに指導や意見を求めてくる人は初めてです。日々そこまで疑問を持てるのは、純粋に美容に興味があり、知りたいという情熱があるからこそなんですよね。情熱が溢れる子にはこちらも同じ情熱で向き合えますし、逆に私自身が熱くなったりすることもあります(笑)。そしてこの1年でカットが飛躍的にうまくなり、さまざまなセンスも目に見えて磨かれました。挑戦しつづけているコンテストでの優勝という結果は、彼がそれだけの時間やコストを費やしてきた証拠です。そんなストイックなところもありながら、実は案外プライドは高くなくて、どこか隙のあるかわいらしさも持っているため、先輩・後輩のどちらからも慕われる絶妙な存在なところも太朗の独特なところ。これからも、きっと何かを成し遂げてくれると期待しています!(浦さやか・『QUQU』代表)
photo: Sano Kazuki Chiyoda Studio text: Men's PREPPY
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