サロンワークとクリエイションをハイレベルで両立している『LECO』『QUQU』『ØØn』。今回は3サロンの「デザイン熱」をそれぞれ作品に昇華してもらいました。
Works by内田聡一郎(LECO)、Make-up by 村上唯花(LECO)

Works by AMANE(LECO) Make-up by honoka(LECO)

Works by 楽人(QUQU)、Make-up by 大久保凪彩(QUQU)

Works by 浦さやか(QUQU)、Make-up by 植田恵太(QUQU)

Works by 重水桃夏、Make-up by 林 龍弥(ØØn)

Works & Make-up by 奈津己(ØØn)

Interview
美容業界をさまざまなシーンで牽引する『LECO』、『QUQU』、『ØØn』。3ブランドの、それぞれの立ち位置や存在理由&今回の作品について話をうかがいました。
内田聡一郎/AMANE(LECO)

ベーシックな美意識を軸にしつつ、「STANDARD」を更新
『LECO』代表/内田聡一郎
ファストファッション全盛の今季、『レコ』は「フォーマル」を新解釈し、上質さや洗練をキーワードに“NEW STANDARD”として、「NEW FORMALISM」をテーマに巻頭では作品をつくりました。伝統的でベーシックな美意識を軸にしつつ、そこに現代的な感性や個性を加え、「STANDARD」を更新していく姿勢を示そうとしています。『レコ』の根底には、教育として「ベーシックの重要性」があり、そこから自由に発展させることを重視。さらに『レコ』=ベーシック、『クク』=アーティスティック、そして両者の中間に位置する新ブランド『オーン』が2025年に誕生しました。『オーン』は若手クリエイターのクロスオーバーの場として、自由で実験的なデザインを追求するブランド。3サロン共、のびのび成長できる環境を整えていて、スタッフは世代ごとにコンテストで成果を上げているところです。『レコ』はクリエイター集団としての文化を継承していて、渋谷から新しいカルチャーを発信し続けることを目指しています。また、チーム全体の多様性と化学反応こそが『レコ』の最大の魅力であり、ブランドの進化を支える源泉。これからも期待してください。
『レコ』で学んだ技術をすべて注ぎ込みました
『LECO』店長/AMANE
今回のテーマは「NEW FORMALISM」。その中で自分は「ニューウェイヴ」的な要素を意識し、3ブランドの中で本店となる『レコ』が最もフォーマルで正統派な姿を体現できるよう取り組みました。『レコ』といえばハイトーンカラーの印象が強いですが、僕はそこにパーマを組み合わせることに力を入れています。今回のモデルでも、『レコ』らしいコントラストの強いデザインカラーに柔らかいパーマを加え、自分らしさを表現しました。内田から受け継いだ繊細な毛束の動かし方を再現し、『レコ』で学んだ技術をすべて注ぎ込みました。『レコ』の魅力は、ベーシックな技術を大切にしながら、クリエイションや外部活動なども積極的に楽しむスタッフが多いこと。僕自身はDJとしても活動しており、音楽を通して人脈が広がり、サロンにも音楽好きのお客さまが増えています。現在は小林総店長から引き継ぐ形で、僕が『レコ』の店長を務めています。年齢の近いスタッフと共に、より近い距離感でサロンを盛り上げたいと思っています。クリエイションやコンテストに情熱を注ぐスタッフも多く、互いに刺激し合いながら成長し、サロン全体のレベルを高めていきたいです。

浦さやか/楽人(QUQU)

モデルの持つ雰囲気を最大限に活かすようアプローチ
『QUQU』代表/浦さやか
今回の撮影テーマは「アナアキとアナーキー」。『クク』は、姉妹ブランド『レコ』に比べて個性が強く、派手さではなく技術やデザイン性を重視するサロン。今回はあえてカラーを排し、黒髪でカットとシルエットの力を際立たせる表現に挑戦。光と影のリアルな演出を通じて、モデルの内面や個性がにじみ出る“ギリギリのリアル”を狙ってみました。撮影では合成を使わず、現場で生まれる偶然性と臨場感を重視。ワッフルのような質感の髪型はモデルの透明感に合わせたもので、モデルの持つ雰囲気を最大限に活かすアプローチを取りました。
自分としては、美容業界の枠にとらわれず、『クク』を常に新しい表現を追求するブランドにしたいです。デザインへの飢えを持ち続けることを自分の役割と位置づけ、スタッフにも創造への欲求を共有する文化を築くようにしています。教育面では、スタイリスト昇格後の成長を重視し、技術を磨き続ける姿勢を徹底。私自身も日本髪など伝統技術を修得し、デザインの幅を広げたいと思っています。今後はスタイリスト層の厚みと技術力の底上げ、“デザインへの欲求”を絶やさず進化し続けるサロンづくりを目標に頑張りたいです。
既存スタイルを超えた“新しい自分の表現”を模索
『QUQU』クリエイティブディレクター/楽人
今回のテーマ「アナアキとアナーキー」は、本質的なカウンターカルチャーの姿勢を表現したいと考え、音楽やカルチャーを背景に「パンク」という言葉を避けつつも同質の精神を内包する「アナーキー」を選び、強さと個の自由を象徴するテーマとしました。デザインでは、黒髪とドライなパーマ質感を重視。ツヤではなく“やさぐれ感”を持つドライな質感で、ストレートな強さとは異なる深みを表現。衣装にはスタッズを自らリメイクして使い、計算されすぎない“手作り感”でDIY的なエネルギーを体現しました。また、浦さんとのコラボでは「スーツ×スタッズ」「レース×穴開き」といった対比を軸に統一感をもたせ、偶然から生まれたタイトル「アナアキ」が作品の象徴となりました。『クク』については、グループ内で「最も新しく尖った挑戦を続ける存在」であってほしいと考えています。今後は、人間関係を大切にしながら組織を強固にし、スタッフが努力を楽しめる環境を作りたいですね。個人としては、既存スタイルの延長線を超えた“新しい自分の表現”を模索し、ヘアメイクやファッションなど外部活動にも広く挑戦していきたいと思っています。

重水桃夏/奈津己(ØØn)

アクセやレイヤードを取り入れ、個性的な世界観を表現
『ØØn』ディレクター/重水桃夏
新ブランド『オーン』は、私と奈津己の“ツートップ”体制で、互いに異なる考えを持ちながらも最終的に同じゴールを目指すスタイルが特徴だと思っています。今回のデザイン面では、黒髪でストイックに仕上げる『クク』に対し、『オーン』はアクセサリーやレイヤードを大胆に取り入れ、自由で個性的な世界観を表現。私たち2人は専門学校時代から面識があり、互いに刺激し合いながら成長してきた仲。後輩たちが「新しい環境でも成長できて楽しい」と感じられる場所にしたいという思いが強く、チームの結束も強いと思います。サロンとしては『レコ』や『クク』に並ぶ存在になること」を目標に掲げつつ、ファッションやカルチャーとリンクした“トータルで可愛い”を提案していきたいです。ヘアだけでなく、全身のバランスで可愛さを成立させるデザインを意識し、来店動機も「デザインを求めて」だけでなく「人に会いたいから」という関係性づくりを大切にしています。コンテストでは奈津己が積極的に挑戦し、私はサロンワークを軸にサポート。今後は『オーン』単独での撮影や作品発信も強化し、若い世代からのカルチャーを取り込みながら発展したいと考えています。
「普通じゃないけど似合う」を発色と質感で実現
『ØØn』店長/奈津己
私としげさんの作品は、いつも正反対のテーマでつくることが多く、今回は“ふわっとした天使”と“悪魔っぽい強さ”という対比で構成しました。ファッションテーマが「スーツ」だったことから、二人とも黒髪ベースで、アニメ『ソウルイーター』の“武器と職人”のペア関係にも着想を得て、二人のモデルを双子のようにリンクさせた構成に。私は髪色にこだわり、寒色が似合うモデルにあえてオレンジ×ピンクの暖色を提案。「普通じゃないけど似合う」を狙い、発色と質感でおしゃれに見せる色設計に挑戦してみました。
新ブランド『オーン』では、少人数体制の強みを生かし、より個性を追求できる環境を目指していて、一人ひとりが作品づくりに集中できるようにしているところです。また、『レコ』はチームとしての組織力が強く、『クク』は個々の表現力が際立つ“仕事好き集団”だと思っています。どちらも刺激的で、『オーン』はその中間に立つ実験的な存在として発展しているところです。2026年の目標は『オーン』をもっと知ってもらうこと。SNSや作品発信を強化し、「『オーン』っぽいね」と言われるようなデザインを確立したいと思います。

photo: Umetsu Shota text:PREPPY
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