和歌山県にクリエイション人口は多くないが、「うまくなりたい」、「自分を表現したい」と、熱量高く撮影に励む美容師は存在する。少しずつ結果を出し、和歌山の美容を盛り上げようと切磋琢磨する4名の作品をどうぞ。
Pick up1

theme-1:border
「やりたいことを100%出して仕上げた作品。僕はクリエイションに対して苦手意識が強く、自分をありのまま表現できず、常に誰かの真似みたいになっていたんです。でも、この作品をきっかけにコンテストで結果を出せるように。こちらはウィッグですが、ヘアの根起こしが難しく、繊細に毛流れをつくらないとシルエットがでなかった。だから何度も挑戦しました。モデルさんのお顔立ちに合わせてシンプルさを心がけ、スタイリング剤を使わず仕上げた素髪もポイントです」
photo:Kaoli make-up:Onishi Sora(nook)

theme-2:静けさ
「上の作品の続き。1点目がかっこいい作品だったので、対照的に柔らかく曖昧に見せています。今回の2点共、ブローによる髪の質感やシルエットづくりがポイントになっていますが、それこそが僕の自分印。クリエイションは審査員など誰かに見てもらうことが大切なので、インパクトを狙いたくなるのですが、僕は落ちついた静かな絵づくりが好き。コンテストを狙いにいく作品をつくるか、自分を表現することを大切にするかはジレンマですが、自分らしさは大切ですよね」
photo:Kaoli make-up:Onishi Sora(nook)

SALON:tote (和歌山県和歌山市)
NAME:岩岡祐助
美容師歴:20年 クリエイション歴:8年
いわおかゆうすけ。『トート』代表。ミエ・ヘア・アーチストアカデミー卒業。シンプルでありながら、お客さまのファッションや生活にフィットするヘアスタイルを追求している。
Instagram @tote_nook_iwaoka
Pick up2

theme-1:海
「17年前にクリエイションを始めたとき、それなりにキャリアがあったので、形にはなるだろうと思っていたのですが、技術も審美眼もなく、全然ダメ。ダダデザインアカデミーに7年通いましたし、上田美江子さんの上田塾にも通いました。ただただ、つくりたいものをつくりたいという想いからでしたね。こちらは、地元の海岸を眺めながら、ランニングしているときにイメージした作品。ウィッグで海の波を表現しています。激しい波ではなく、穏やかな凪。かっこいい作品をつくりたいと思っていますが、怖い作品にはしたくない。それが僕の作風です」
photo:Tanaka Masaya make-up:Shitara Etsuko

theme-2:White
「JHA2019で、笑顔の作品がニューカマーファイナリストにノミネートされ、背伸びしなくてもいいんだということに気付いたんです。それ以来、『こうでなければならない』に縛られず、自分がつくりたいものをつくるようにしています。こちらは、サロンでカラー剤を塗布しているとき、『変な流れがかわいい』と思い、その状態を作品に。モデルさんの地毛にセット力高めの泥パックを塗って、形を整え、そこにフェイスペイントをのせています。本来、直毛のモデルさんなんですが、髪の動きが新鮮で、いつもと違う表情を引き出すことができました」
photo:Tanaka Masaya make-up:Basyo Keita

SALON:cocolo hair(和歌山県御坊市)
NAME:小池直史
美容師歴:30年 クリエイション歴:17年
こいけなおふみ。『ココロヘアー』オーナースタイリスト。IBW美容専門学校卒業。最近、登山やランニング、旅先などで感じたことを表現することに凝っているそう。
Instagram @koike_naofumi
Pick up3

theme-1:Geek punk
「9年前、クリエイションを始めたいと思い、小池さん(P093参照)の元へ。今では毎年KHAとJHAに挑戦しており、3割コンテストを意識し、7割は自分らしい表現を心がけています。こちらは地毛で仕上げた作品。ヘアも絵づくりもシュールなものが好き。誰が見ても“おしゃれ”なものではなく、どこかに違和感を感じるシュールな作品、奇異な作品づくりが好きですね。この作品は、前髪をリーゼントっぽく立ち上げ、前髪ともみあげに動きをつけ、バックをツインテールに。男の子っぽいけど女の子っぽい、そんな狭間を表現しています」
photo:Tanaka make-up:kaako styling:novo k(litmus)

theme-2:80’s
「80年代のアイドルを意識したウィッグ作品。ボブスタイルにパーマをかけ、スクエアなシルエットに。リーゼントのような前髪のおじさんっぽさとアイドルのようなかわいい衣装のミスマッチでシュールな雰囲気を。JHA2018で近畿エリアにノミネートされ、少しずつ自信もつき、クリエイションを始めたおかげで、サロンワークのちょっとした毛先の処理や毛筋のつくり方など細かな部分に目がいくようになりました。『もっと結果を出したい』という想いもありますが、『試してみたい』『やってみたい』、そんな気持ちを大切にしています」
photo:Kaoli make-up:Iwahashi Riko(tote) styling:novo k(litmus)

SALON:toilo (和歌山県御坊市)
NAME:玉井健太
美容師歴:21年 クリエイション歴:9年
たまいけんた。『トイロ』オーナースタイリスト。ル・トーア東亜美容専門学校卒業。一人ひとりの「似合う」を見つけること、ヘアをデザインすること、美容を楽しむことをモットーとしている。
Instagram @tamaken0616
Pick up4

theme-1:華
「2025年は、JHA近畿エリアでノミネートされるなど、クリエイション歴5年でやっとつくるものが洗練されてきたのかなと思っています。こちらのテーマは“華”。モデルさんが中国の方なので中華の“華”、華やかな“華”を意識しました。全体をワッフルアイロンでボリュームを出し、フォルムや質感にこだわりつつ自然に見えるように。三角のシルエットがおにぎりのような、ロケットのような、違和感が残りますが、そこは見る人の創造力にお任せ。モデルさんの表現力と合わさり、ダークだけど儚げで華を感じられる雰囲気が気に入っています」
photo:Kaoli make-up:Iwahashi Riko(tote)

theme-2:誕生
「今作品は“doll”がテーマなので、人の手で整えられた人形の髪感を意識しました。パッと見、完成した絵に見えますが、どんな髪の作り方をしているんだろうとじっと見つめてしまう。時間の経過を感じる古びた写真の雰囲気、動いているのに静止しているようなアンビバレンスさが気に入っています。クリエイションをやっている人を間近で見ている人はやりたくなりますよね。うちのサロン内でも『負けたくない』『追いつきたい』と作品撮りに励むスタッフが育っています。僕も和歌山のクリエイションが盛り上がるよう頑張りたいと思います」
photo:Kaoli make-up:Onishi Sora(nook)

SALON:nook(和歌山県有田郡)
NAME:今西昭文
美容師歴:13年 クリエイション歴:5年
いまにしあきのり。『ノック』スタイリスト。IBW美容専門学校 卒業。ナチュラルななかに少しエッジの効いたヘアが好き。ファッションとライフスタイルに溶け込むヘアを目指している。
Instagram @nook_akkun